直視下皮下手根管開放術の新しい手術器具の開発

「はじめに」我々は, 手根管症候群に対し, 2皮切式による直視下皮下手根管開放術を行い, その有用性について報告してきた1). 2皮切法は近位手掌皮切, 遠位手首線に沿った小さな皮切を用いる術式である(図1). 今回, その術式に用いる新しい手術器具を開発したので報告する. 手術器具 新しい手術器具は, 長さ20cm, 本体部は幅5mm, 長さ約8cmである(図2). 横手根靱帯を尺側にて切離するため, 右用, 左用があり, 尺側に溝がついている. 先端は神経剥離子と同様に上方に緩く屈曲しており, 正中神経の上部に挿入した場合, 神経を損傷せず安全に挿入することができる. 手前は, 横手根靱帯...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 2; pp. 594 - 597
Main Authors 小田裕造, 藤尾圭司, 山中三知夫, 土屋隆之, 後藤公志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1999
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」我々は, 手根管症候群に対し, 2皮切式による直視下皮下手根管開放術を行い, その有用性について報告してきた1). 2皮切法は近位手掌皮切, 遠位手首線に沿った小さな皮切を用いる術式である(図1). 今回, その術式に用いる新しい手術器具を開発したので報告する. 手術器具 新しい手術器具は, 長さ20cm, 本体部は幅5mm, 長さ約8cmである(図2). 横手根靱帯を尺側にて切離するため, 右用, 左用があり, 尺側に溝がついている. 先端は神経剥離子と同様に上方に緩く屈曲しており, 正中神経の上部に挿入した場合, 神経を損傷せず安全に挿入することができる. 手前は, 横手根靱帯が切離できたことを確認する棒である. メッツェンバーグ又は下甲介尖刀を溝を滑らせるようにして, 横手根靱帯を切離する(図3). 手術様式 従来の皮切とくらべて小さく(図1), 2皮切法は近位手掌皮切, 遠位手首線に沿った小さな皮切を用いる. 伝達麻酔, 又は局所麻酔下に駆血を行い手術を行う.
ISSN:0037-1033