3年以上経過した人工骨頭置換術のX線学的検討
「はじめに」セメントレス人工骨頭はDistalmigrationやLooseningの問題から改良が重ねられ大腿骨髄腔によく適合するpressfit型が主流となってきた.しかし高齢者に対してセメントレス人工骨頭を使用することは,骨粗鬆症や骨萎縮のため疑問視する報告も多い5)9).そこで我々は,高齢者を中心に比較的長期に経過観察が可能であったセメントレス人工骨頭置換術例のステム側の変化を,X線学的に検討した.「対象」佐世保市立総合病院,長崎記念病院,掖済会長崎病院の3施設で1987年から1993年2月までに人工骨頭置換術を施行し,3年以上経過してX線撮影を行った44例44股を対象とした.手術時の...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 1; pp. 171 - 174 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1997
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」セメントレス人工骨頭はDistalmigrationやLooseningの問題から改良が重ねられ大腿骨髄腔によく適合するpressfit型が主流となってきた.しかし高齢者に対してセメントレス人工骨頭を使用することは,骨粗鬆症や骨萎縮のため疑問視する報告も多い5)9).そこで我々は,高齢者を中心に比較的長期に経過観察が可能であったセメントレス人工骨頭置換術例のステム側の変化を,X線学的に検討した.「対象」佐世保市立総合病院,長崎記念病院,掖済会長崎病院の3施設で1987年から1993年2月までに人工骨頭置換術を施行し,3年以上経過してX線撮影を行った44例44股を対象とした.手術時の年齢は平均70.3歳(39~89歳),手術後の経過期間は平均4年6カ月(3年~9年4ヵ月)であった.疾患別内訳は大腿骨頸部骨折41股,変形性股関節症2股,大腿骨頭壊死1股で,使用した人工骨頭はBateman narrow stem type(以下narrow type)7股,Bateman modified type(以下modified type)16股,OMNIFIT21股で,それぞれの手術時年齢,経過観察期間に有為な違いをみとめなかった(表1). |
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ISSN: | 0037-1033 |