結核との混合感染が疑われた非チフス型サルモネラ菌による化膿性脊椎炎の治療経験
「はじめに」化膿性脊椎炎の起因菌はブドウ球菌, 連鎖球菌などが一般的であるが, 脊椎カリエス様の症状を呈した非チフス型サルモネラ菌による化膿性脊椎炎を経験したので報告する. 「症例」68歳男性, 職業なし. 中腰姿勢をとった瞬間に急性腰痛出現し体動困難となり近医を受診した. X-Pにて特に異常を指摘されず, 内服薬加療するも徐々に両下肢筋力が低下し歩行不能となったため, 症状発現より2ケ月後に当科受診となった. 同時期より排尿困難を自覚したが何とか排尿できていたため放置していた. 既往歴として, 約50年前に肺結核の加療を行ったが, その後特に症状はなかった. また海外渡航歴, 糖尿病はない....
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 3; pp. 814 - 818 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2000
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」化膿性脊椎炎の起因菌はブドウ球菌, 連鎖球菌などが一般的であるが, 脊椎カリエス様の症状を呈した非チフス型サルモネラ菌による化膿性脊椎炎を経験したので報告する. 「症例」68歳男性, 職業なし. 中腰姿勢をとった瞬間に急性腰痛出現し体動困難となり近医を受診した. X-Pにて特に異常を指摘されず, 内服薬加療するも徐々に両下肢筋力が低下し歩行不能となったため, 症状発現より2ケ月後に当科受診となった. 同時期より排尿困難を自覚したが何とか排尿できていたため放置していた. 既往歴として, 約50年前に肺結核の加療を行ったが, その後特に症状はなかった. また海外渡航歴, 糖尿病はない. 初診時, 起立歩行不能のため車椅子で受診. SLRおよびBragardテストは両側陰性. 膝蓋腱反射は両側低下, アキレス腱反射は両側正常で異常反射は認めなかった. S1~5領域に5/10の知覚鈍麻を認めた. 両下肢のMMTは著明な低下(F~T)を認めた. |
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ISSN: | 0037-1033 |