脊髄硬膜外くも膜嚢腫の2手術例

「はじめに」比較的稀な脊髄硬膜外くも膜嚢腫の2手術例を経験し, 術前に撮像しえたシネMRIを含めた画像により病態の検討を行ったので報告する. 症例 症例1:13才女性 主訴:腰痛および歩行障害 既往歴, 家族歴:特記事項なし 現病歴:平成5年10月より誘因なく腰痛出現, 12月よりふらつき歩行が出現し徐々に増悪した. 平成6年2月21日近医でMRIにて胸腰椎移行部脊髄腫瘍を疑われ2月24日当科紹介入院となる. 入院時所見:両膝蓋腱反射, 両アキレス腱反射消失し, 両下肢筋力はMMT3~4と著明な筋力低下を認めたが, 知覚低下, 膀胱直腸障害は認めなかった. 画像所見:単純X線正面像は, 第1,...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 1; pp. 73 - 77
Main Authors 喜瀬均, 佐藤栄, 金城幸雄, 屋良哲也, 伊佐真徳, 棚原豊, 金谷文則, 茨木邦夫, 高良宏明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」比較的稀な脊髄硬膜外くも膜嚢腫の2手術例を経験し, 術前に撮像しえたシネMRIを含めた画像により病態の検討を行ったので報告する. 症例 症例1:13才女性 主訴:腰痛および歩行障害 既往歴, 家族歴:特記事項なし 現病歴:平成5年10月より誘因なく腰痛出現, 12月よりふらつき歩行が出現し徐々に増悪した. 平成6年2月21日近医でMRIにて胸腰椎移行部脊髄腫瘍を疑われ2月24日当科紹介入院となる. 入院時所見:両膝蓋腱反射, 両アキレス腱反射消失し, 両下肢筋力はMMT3~4と著明な筋力低下を認めたが, 知覚低下, 膀胱直腸障害は認めなかった. 画像所見:単純X線正面像は, 第1, 2腰椎の椎弓根間距離の拡大, 椎弓根の菲薄化があり, 側面像では, 第1, 2腰椎椎体後方の圧痕像が認められた. MRIは第12胸椎から第3腰椎レベルの脊髄後方にT1低輝度, T2高輝度の嚢腫様病変を認めた. 脊髄腔造影では第12胸椎より第3腰椎椎体レベルにおいて硬膜管の後方からの著名な圧迫を認めた(図1). 1時間後CTMでは造影剤の貯留した嚢腫が後方より硬膜管を圧迫する所見も認めた.
ISSN:0037-1033