チタンプレート内固定によるアレルギー性間欠熱が疑われた一症例

「はじめに」整形外科における内固定材料としてステンレス, チタン等が挙げられるが, 金属アレルギーの報告も散見される1-3). それらは皮膚皮疹, 発赤等の皮膚症状が主体である. 今回われわれはチタン合金プレート, スクリューによる骨接合術施行し, 術後, 間欠熱を呈し, 抜釘により鎮静化した一症例を経験したので若干の考察を加えて報告する. 症例 現病歴:77歳, 男性. 平成9年3月23日1mの高さから転落して, 右足関節第三果骨折受傷. 近医から紹介され, 当科入院, 4月3日にチタン合金プレート, スクリューによる骨接合施行. 既往歴:10年来の糖尿病あるも, 食事療法のみでコントロール...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 2; pp. 597 - 600
Main Authors 浜崎晶彦, 新井堅, 白石浩一, 石橋裕一, 原雄人, 友弘慎一, 中野壮一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2000
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」整形外科における内固定材料としてステンレス, チタン等が挙げられるが, 金属アレルギーの報告も散見される1-3). それらは皮膚皮疹, 発赤等の皮膚症状が主体である. 今回われわれはチタン合金プレート, スクリューによる骨接合術施行し, 術後, 間欠熱を呈し, 抜釘により鎮静化した一症例を経験したので若干の考察を加えて報告する. 症例 現病歴:77歳, 男性. 平成9年3月23日1mの高さから転落して, 右足関節第三果骨折受傷. 近医から紹介され, 当科入院, 4月3日にチタン合金プレート, スクリューによる骨接合施行. 既往歴:10年来の糖尿病あるも, 食事療法のみでコントロール良好. アレルギー反応は特になし, 経過:骨接合術後5週過ぎに外果創部にピンホール様の皮下膿瘍発生し, 創部洗浄, 抗生剤投与にて軽快するも, 併発した間欠熱改善せず, 内科転科にて, 血液培養, 尿培養, 髄液検査, 腹部エコー, 全身CT, 内視鏡, 骨髄穿刺等の熱発に関しての全身検索施行されるも, 間欠熱の原因は不明であった. 抜釘直前め外観上, 間欠熱の原因となる炎症所見は見受けられなかった(図1). この時点で, 金属アレルギーによる熱発の可能性も考慮し, 骨接合術後11週にて, 抜釘施行した.
ISSN:0037-1033