胆嚢胆管瘻を伴うMirizzi症候群(Corlette I型, Csendes III型) の1例

「要旨」: 胆嚢胆管瘻は稀であり, 術前診断は困難であるとされている. 症例は70代女性. 約30年前より胆嚢結石が指摘されていた. 20XX年に胆管結石に対してERCP・切石術を施行された. 2年後に経過観察目的に施行された腹部CTにて胆嚢腫瘍が疑われ, 精査加療目的に当院を紹介され受診した. 腹部造影CTでは胆嚢頚部に嵌頓する結石を認め, ERCPにて上部胆管の片側性陰影欠損と狭窄像を認めた. 経口胆道鏡検査にて狭窄部の直視下観察を行い, 結石の露出を認めたため, 胆嚢胆管瘻を伴うMirizzi症候群(Corlette I型, Csendes III型)の診断で外科手術を施行した. 胆嚢胆...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in胆道 Vol. 31; no. 4; pp. 707 - 713
Main Authors 五十嵐亮, 入澤篤志, 澁川悟朗, 佐藤愛, 山部茜子, 藤澤真理子, 阿部洋子, 牧匠, 添田暢俊, 齋藤拓朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.10.2017
Online AccessGet full text
ISSN0914-0077

Cover

More Information
Summary:「要旨」: 胆嚢胆管瘻は稀であり, 術前診断は困難であるとされている. 症例は70代女性. 約30年前より胆嚢結石が指摘されていた. 20XX年に胆管結石に対してERCP・切石術を施行された. 2年後に経過観察目的に施行された腹部CTにて胆嚢腫瘍が疑われ, 精査加療目的に当院を紹介され受診した. 腹部造影CTでは胆嚢頚部に嵌頓する結石を認め, ERCPにて上部胆管の片側性陰影欠損と狭窄像を認めた. 経口胆道鏡検査にて狭窄部の直視下観察を行い, 結石の露出を認めたため, 胆嚢胆管瘻を伴うMirizzi症候群(Corlette I型, Csendes III型)の診断で外科手術を施行した. 胆嚢胆管瘻を伴うMirizzi症候群の診断や細分類は単一画像での評価が困難なことが多く, 経口胆道鏡検査を含めた総合的な画像診断が有用である. 「はじめに」胆嚢結石症の稀な合併症として胆嚢胆管瘻があり, 胆嚢管が残存しているかどうかでCorletteらにより分類されている.
ISSN:0914-0077