反復性人工股関節(THA)脱臼に対するWroblewski acetabular stabilizing wedge(WASW)法の経験

「はじめに」人工股関節置換術(THA)の主たる合併症の一つである反復性脱臼には様々な病態があり, その対策も多岐にわたっている. 今回われわれは, 反復性THA脱臼に対しWroblewski acetabular stabilizing wedge(WASW)を用いて治療する機会を得たのでその治療成績を調べ, 本法の有用性と問題点を検討した. 対象および方法 対象はCharnley THA後に反復性脱臼, 亜脱臼をきたした3例である(表1). 手術時年齢は59歳から83歳(平均69.3歳)であった. 原疾患は急性破壊性股関節症(RDC)が1例, 慢性関節リウマチ(RA)が2例であった. 初回T...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 1; pp. 254 - 258
Main Authors 梶山史郎, 高橋克郎, 榎本寛, 橋口隆, 木寺健一, 杉谷勇二, 乗松崇裕, 進藤裕幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1999
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Summary:「はじめに」人工股関節置換術(THA)の主たる合併症の一つである反復性脱臼には様々な病態があり, その対策も多岐にわたっている. 今回われわれは, 反復性THA脱臼に対しWroblewski acetabular stabilizing wedge(WASW)を用いて治療する機会を得たのでその治療成績を調べ, 本法の有用性と問題点を検討した. 対象および方法 対象はCharnley THA後に反復性脱臼, 亜脱臼をきたした3例である(表1). 手術時年齢は59歳から83歳(平均69.3歳)であった. 原疾患は急性破壊性股関節症(RDC)が1例, 慢性関節リウマチ(RA)が2例であった. 初回THAからの経過年数は4年から11年(平均8年)であった. 追跡期間は1年1カ月から3年5カ月(平均1年11カ月)であった. 反復性脱臼の要因として, socket migration, socket malalignment股関節周囲筋力低下, 大転子の切除や偽関節があった. これらの症例に対し, WASW法を施行した. 治療成績の評価としては, 臨床的には術後脱臼の有無や脱臼不安感の変化を調べた. またX線的にはWASW device本体の脱転や折損の有無, THA socket looseningの進行の有無を調べた.
ISSN:0037-1033