化膿性脊椎炎の治療法の検討
「はじめに」近年, 各種耐性菌の出現, 高齢化に伴い化膿性脊椎炎の病態及びその治療も変化しつつある. 今回我々は, 当科に於いて治療を行った化膿性脊椎炎について主にその治療法について検討したので報告する. 対象及び結果 1989年から1998年まで当科に於いて脊椎カリエス以外の化膿性脊椎炎の診断にて治療を行ったのは13例で男11例, 女2例であった. 平均年齢は59.8才で平均経過観察期間は26ケ月であった. 起炎菌は7例54%が不明であった. 罹患部位は腰椎が9例69%と最も多く遠隔罹患を含む多椎間罹患は5例で, 内4例は保存治療に抵抗性もしくは麻痺症状を合併しており手術的治療を要した. 肝...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 3; pp. 820 - 823 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1999
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ISSN | 0037-1033 |
Cover
Summary: | 「はじめに」近年, 各種耐性菌の出現, 高齢化に伴い化膿性脊椎炎の病態及びその治療も変化しつつある. 今回我々は, 当科に於いて治療を行った化膿性脊椎炎について主にその治療法について検討したので報告する. 対象及び結果 1989年から1998年まで当科に於いて脊椎カリエス以外の化膿性脊椎炎の診断にて治療を行ったのは13例で男11例, 女2例であった. 平均年齢は59.8才で平均経過観察期間は26ケ月であった. 起炎菌は7例54%が不明であった. 罹患部位は腰椎が9例69%と最も多く遠隔罹患を含む多椎間罹患は5例で, 内4例は保存治療に抵抗性もしくは麻痺症状を合併しており手術的治療を要した. 肝硬変, 糖尿病などを有するいわゆるimmunocompromised host2)は8例62%であり基礎疾患のない群と比較すると年齢が高い傾向にあった. 脊椎病変との因果関係は明確ではないが, 2例に尿路感染症が, 2例に肺病変が先行していた. |
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ISSN: | 0037-1033 |