突発性難聴の神経耳科所見と予後

「はじめに」突発性難聴は原因不明の疾患であるが, その予後についても多くの研究がなされている. 聴力の予後に関する因子としては, 治療開始までの期間(日数), 初診時の聴力レベル, めまいの有無, 年齢, 合併症, 治療法など多くの因子が検討されている. 今回, 著者らは最近5年間に当科で治療を行った突発性難聴症例の神経耳科所見と聴力の予後との関連について検討したので報告する. 「対象と方法」対象は1998年から2003年までの5年間に当科で治療した5周波平均聴力30dB以下で, 発症後14日以内に受診した突発性難聴新鮮例327症例である1). このうち男性が173例で女性は154例, 入院治...

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Published inめまい平衡医学 Vol. 64; no. 6; pp. 484 - 490
Main Authors 水野正浩, 平岩文, 金永順, 鳥山恭央, 吉岡克己, 伊藤彰紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本めまい平衡医学会 01.12.2005
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ISSN0385-5716

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Summary:「はじめに」突発性難聴は原因不明の疾患であるが, その予後についても多くの研究がなされている. 聴力の予後に関する因子としては, 治療開始までの期間(日数), 初診時の聴力レベル, めまいの有無, 年齢, 合併症, 治療法など多くの因子が検討されている. 今回, 著者らは最近5年間に当科で治療を行った突発性難聴症例の神経耳科所見と聴力の予後との関連について検討したので報告する. 「対象と方法」対象は1998年から2003年までの5年間に当科で治療した5周波平均聴力30dB以下で, 発症後14日以内に受診した突発性難聴新鮮例327症例である1). このうち男性が173例で女性は154例, 入院治療が265例で外来治療は62例である. 平均年齢は50±17歳, 発症から初診までの期間は4.2±3.7日であった. 厚生労働省研究班によるGrade分類2)では, Grade1が21例, Grade2が72例, Grade3が126例, Grade4が108例であった(表1).
ISSN:0385-5716