完全離断型胆管損傷に対して, PTBD (Percutaneous transhepatic biliary drainage) 後にEUS下胆道ドレナージ (EUS-guided biliary drainage) を施行し内瘻化した1例

要旨: 90歳男性. 急性胆嚢炎で開腹胆嚢摘出術を施行し, 術後に肝機能異常が遷延した. 造影CTでは総胆管損傷が疑われ, 加療目的で転院となった. PTBDによる胆管造影で完全離断型の胆管損症の診断となり, 左肝管から右肝管にかけてPTBDチューブを留置した. ADLが改善した後に胆道再建術予定としたが, 耐術できるほどの改善は認めなかった. 内瘻化の必要性が生じたため, PTBDルートとEUS-BDを併用し, 肝内胆管から胃内に内外瘻カテーテルを留置し, 後日に金属ステントに交換した. PTBD後にPTBDルートを活用したEUS-BDは, 一つのドレナージ方法として有用である....

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Published in胆道 Vol. 33; no. 5; pp. 884 - 891
Main Authors 佐々木善浩, 堀内知晃, 石坂俊二, 川村紀夫, 伊藤豊, 今津博雄, 槇島誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.12.2019
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ISSN0914-0077

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Summary:要旨: 90歳男性. 急性胆嚢炎で開腹胆嚢摘出術を施行し, 術後に肝機能異常が遷延した. 造影CTでは総胆管損傷が疑われ, 加療目的で転院となった. PTBDによる胆管造影で完全離断型の胆管損症の診断となり, 左肝管から右肝管にかけてPTBDチューブを留置した. ADLが改善した後に胆道再建術予定としたが, 耐術できるほどの改善は認めなかった. 内瘻化の必要性が生じたため, PTBDルートとEUS-BDを併用し, 肝内胆管から胃内に内外瘻カテーテルを留置し, 後日に金属ステントに交換した. PTBD後にPTBDルートを活用したEUS-BDは, 一つのドレナージ方法として有用である.
ISSN:0914-0077