横止め式髄内固定法を用いた大腿骨骨折の治療成績

「はじめに」横止め式髄内釘の出現により長管骨骨折における骨折部の短縮と回旋の予防が可能となり髄内釘の適応範囲が広がった. 当科では1992年8月より大腿骨骨幹部骨折およびその近傍の骨折の一部に対し横止め式髄内釘を一貫して用いてきた. 今回その治療成績について検討を加えたので報告する. 対象および方法 症例は術後4か月以上経過し臨床評価が可能であった男性15例女性5例の20例である. 手術時年齢は17歳より67歳(平均37.5歳)である. AO分類による骨折型別の症例は大腿骨骨幹部単純骨折(32-A)5例, きつ状第二骨片をもつ骨折(32-B)11例, 骨幹部の粉砕骨折(32-C)3例, そして...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 1; pp. 204 - 208
Main Authors 川原俊夫, 野口雅夫, 中西秀二, 原寛徳, 貞松俊弘, 新見俊明, 飯岡隆, 伊東大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」横止め式髄内釘の出現により長管骨骨折における骨折部の短縮と回旋の予防が可能となり髄内釘の適応範囲が広がった. 当科では1992年8月より大腿骨骨幹部骨折およびその近傍の骨折の一部に対し横止め式髄内釘を一貫して用いてきた. 今回その治療成績について検討を加えたので報告する. 対象および方法 症例は術後4か月以上経過し臨床評価が可能であった男性15例女性5例の20例である. 手術時年齢は17歳より67歳(平均37.5歳)である. AO分類による骨折型別の症例は大腿骨骨幹部単純骨折(32-A)5例, きつ状第二骨片をもつ骨折(32-B)11例, 骨幹部の粉砕骨折(32-C)3例, そして大腿骨顆部の関節内単純, 骨幹端多骨片骨折の合併例(32-Cと33-C-2)1例である. 主な合併症のうち頻度の高いものとしては, 同側及び対側の下腿骨骨折(4例), 足関節骨折(3例)があった. 同側下腿骨骨折との合併症例のうち1例に脂肪塞栓症候群が生じたがICU管理により救命しえた. この症例と中枢性軸索損傷を合併した例の2例の大腿骨骨折部周囲に異所性化骨形成を認めた.
ISSN:0037-1033