脊髄多発性硬膜外嚢腫の1例

脊髄硬膜外嚢腫は全脊髄腫瘍の約1%を占める良性疾患であり1), 外国においては1898年Schlesingerの1例報告7)以来1973年Trumpyらの4例報告9)までに119例, 本邦においては1938年加藤らの報告4)以来1977年永山らの報告5)までにわずかに19例をみるにすぎない. 我々は最近, 脊髄硬膜外嚢腫のなかでもまれな脊髄多発性硬膜外嚢腫1)の1例を経験し, 手術により治癒せしめたので, 若干の考察を加え, ここに報告する. 症例 <患者> 33才, 男性 主訴:痙性不全対麻痺 家族歴:特記すべきことはない. 既往歴:口蓋裂 現病歴:1983年12月頃より左下肢に...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 26; no. 5; pp. 405 - 408
Main Authors 正名好之, 山田和雄, 尾崎孝次, 生塩之敬, 早川徹, 最上平太郎, 御供政紀, 河合隆治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1986
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Summary:脊髄硬膜外嚢腫は全脊髄腫瘍の約1%を占める良性疾患であり1), 外国においては1898年Schlesingerの1例報告7)以来1973年Trumpyらの4例報告9)までに119例, 本邦においては1938年加藤らの報告4)以来1977年永山らの報告5)までにわずかに19例をみるにすぎない. 我々は最近, 脊髄硬膜外嚢腫のなかでもまれな脊髄多発性硬膜外嚢腫1)の1例を経験し, 手術により治癒せしめたので, 若干の考察を加え, ここに報告する. 症例 <患者> 33才, 男性 主訴:痙性不全対麻痺 家族歴:特記すべきことはない. 既往歴:口蓋裂 現病歴:1983年12月頃より左下肢にしびれ感が出現し, また同時に歩行障害をきたすようになった. 症状は増悪, 寛解を繰り返していたが, 1984年8月には歩行障害が増悪し, 近医を受診, 脊髄腫瘍を疑われ, 当科を紹介された.
ISSN:0470-8105