3年間に4回の下肢疲労骨折をきたした小学生サッカー選手の1例

「はじめに」近年発育期におけるスポーツの普及により疲労骨折の頻度が高くなっている. 今回私達は小学生のサッカー選手に発生した多発性疲労骨折を経験したので報告する. 症例 11歳男児サッカー部 主訴:右下肢痛 既往歴, 家族歴:特記すべき事項なし 現病歴:小学5年生で週に6日の練習と週3日の長距離走に加え, 中学生との練習に参加していた. 平成8年5月頃より両下腿に疼痛が出現. 特に外傷の既往はなかった. 近医を受診しoveruseとの診断にて疼痛時は練習を休むように指示されていた. 平成8年12月右脛骨近位部に疼痛が出現したため当科を受診した. 初診時所見:右脛骨近位部に自発痛があり, 軽度の...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 2; pp. 506 - 510
Main Authors 林宗幸, 安里潤, 砂川憲政, 堀苑英寛, 金谷文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2000
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」近年発育期におけるスポーツの普及により疲労骨折の頻度が高くなっている. 今回私達は小学生のサッカー選手に発生した多発性疲労骨折を経験したので報告する. 症例 11歳男児サッカー部 主訴:右下肢痛 既往歴, 家族歴:特記すべき事項なし 現病歴:小学5年生で週に6日の練習と週3日の長距離走に加え, 中学生との練習に参加していた. 平成8年5月頃より両下腿に疼痛が出現. 特に外傷の既往はなかった. 近医を受診しoveruseとの診断にて疼痛時は練習を休むように指示されていた. 平成8年12月右脛骨近位部に疼痛が出現したため当科を受診した. 初診時所見:右脛骨近位部に自発痛があり, 軽度の腫脹と熱感を認めた. 検査所見:血液, 生化学検査にて明らかな異常所見はなく, 活性型ビタミンD 48.9pg/ml(正常値20-70pg/ml). H3-PTH320pg/ml(160-520), C-PTH 0.5ng/ml(0.5以下), INTACT-PTH 27pg/ml(10~65)と正常範囲内だった. また骨密度も大腿骨 1.074g/cm2, 橈骨0.384g/cm2, 腰椎1.058g/cm2と明らかな低下は認められなかった. 初診時画像所見:単純レ線像にて右脛骨近位部に骨硬化像がみられた.
ISSN:0037-1033