32年後に再置換術を行った片山-平川式アクリル樹脂製人工骨頭の1例

「はじめに」股関節人工骨頭は1943年MooreとBohlmanが金属性人工骨頭の報告して以来, 形状, 材質共に様々な改良が加えられている8). 今回, 我々は32年後に再置換術を行った片山-平川式アクリル樹脂製人工骨頭の1例を経験したので報告する. 症例:74歳, 女性. 主訴:左股関節痛. 現病歴:1963年12月川に転落し, 左大腿骨頸部骨折を受傷した. 1964年1月に某院にて人工骨頭置換術を受けた. 術後1カ月間ギプス固定を行い, 術後2か月より部分荷重を開始, 約1年後に杖なし歩行となった. 退院後は経過良好で10年間料理屋の立ち仕事を続け, 退職後も日常生活に支障なく経過してい...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 1; pp. 203 - 207
Main Authors 大歯浩一, 寒川晃顕, 辻博三, 西庄武彦, 藤内武春
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1999
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Summary:「はじめに」股関節人工骨頭は1943年MooreとBohlmanが金属性人工骨頭の報告して以来, 形状, 材質共に様々な改良が加えられている8). 今回, 我々は32年後に再置換術を行った片山-平川式アクリル樹脂製人工骨頭の1例を経験したので報告する. 症例:74歳, 女性. 主訴:左股関節痛. 現病歴:1963年12月川に転落し, 左大腿骨頸部骨折を受傷した. 1964年1月に某院にて人工骨頭置換術を受けた. 術後1カ月間ギプス固定を行い, 術後2か月より部分荷重を開始, 約1年後に杖なし歩行となった. 退院後は経過良好で10年間料理屋の立ち仕事を続け, 退職後も日常生活に支障なく経過していた. 1992年12月喘息にて当院内科受診時に偶然人工骨頭を使用していることがわかり, 当科に紹介となった. 当科初診時には股関節痛はなくJOA scoreは85点であった. 1995年3月頃から左股関節痛が出現し, 1996年7月頃から疼痛が著明となったため再置換術目的で1996年8月19日に入院した. 既往歴:1982年頃より喘息. 1995年3月早期大腸癌の手術を受ける. 入院時現症:身長158cm, 体重39.5kgで肥満度-27.1%と軽量であった. 下肢長は右80cm, 左78cmと脚長差2cmであった.
ISSN:0037-1033