中学生サッカーにおけるスポーツ障害及び外傷

「はじめに」近年のサッカーの隆盛に伴い競技人口の増加も目を見張るものがある. この結果, サッカーによる外傷や障害も増加しているものと思われる. そこで, 我々は佐賀県内の中学校サッカー部員に対しアンケートを行い, スポーツ外傷及び障害の実体を調査し, あわせて直接検診を実施したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 対象及び方法 対象は, 佐賀県サッカー協会に加盟登録している中学校サッカー部員1769人である. 平成5年9月に各学校へアンケート用紙を郵送し, 12月までに回収を行った. アンケートでは, 身長, 体重, サッカー歴, 練習時間, 既往歴(骨折, 脱臼, 捻挫, 打撲, 肉...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 4; pp. 1259 - 1264
Main Authors 白仁田厚, 奥江章, 草場謙, 中島勝也, 岸川陽一, 上ノ町重和, 蔵重芳文, 松田秀策
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」近年のサッカーの隆盛に伴い競技人口の増加も目を見張るものがある. この結果, サッカーによる外傷や障害も増加しているものと思われる. そこで, 我々は佐賀県内の中学校サッカー部員に対しアンケートを行い, スポーツ外傷及び障害の実体を調査し, あわせて直接検診を実施したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 対象及び方法 対象は, 佐賀県サッカー協会に加盟登録している中学校サッカー部員1769人である. 平成5年9月に各学校へアンケート用紙を郵送し, 12月までに回収を行った. アンケートでは, 身長, 体重, サッカー歴, 練習時間, 既往歴(骨折, 脱臼, 捻挫, 打撲, 肉離れ), 後遺症, 現在の疼痛部位を調査した. また, 疼痛を有する者に対しては, 学校まで出向いて直接検診を施行した. 結果 結果. 回収総数は, 804人で回収率45.4%であった(表1). 各学年別にみると, 1,2年生が全体の84%を占め, 3年生は中体連後でサッカーを止めており, そのためアンケート数が少なかったものと思われた. 調査時に何らかの疼痛を自覚するもの, 後遺症のため満足にプレーできないものを有愁訴者と定義したが, 総数は212人で1年生よりも2,3年生にその割合が多かった.
ISSN:0037-1033