大腿骨頭壊死に対する人工関節手術の予後

「はじめに」大腿骨骨頭壊死症(以下ANF)の病期が進行した症例の治療法として, 人工骨頭置換術(以下人工骨頭)や人工股関節置換術(以下THA)が行われるが, その術後成績は大腿骨頚部骨折の人工骨頭や変形性股関節症のTHAに比べ, 一般に予後は悪いと言われている1)2). また, 術後成績を左右する因子として, インプラントの機種や手術手技による検討がされているものが多い3)4)9). しかし, ANFを発症の起因となった病態別の術後成績についての報告は少ない. 今回我々は人工骨頭またはTHAを施行したANF患者を, 起因する病態すなわちステロイド剤投与に因る症例群, アルコール多飲に因る症例群...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 4; pp. 1173 - 1176
Main Authors 前田和成, 角光宏, 櫛田学, 井手衆哉, 山口鉄生, 本川哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1999
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」大腿骨骨頭壊死症(以下ANF)の病期が進行した症例の治療法として, 人工骨頭置換術(以下人工骨頭)や人工股関節置換術(以下THA)が行われるが, その術後成績は大腿骨頚部骨折の人工骨頭や変形性股関節症のTHAに比べ, 一般に予後は悪いと言われている1)2). また, 術後成績を左右する因子として, インプラントの機種や手術手技による検討がされているものが多い3)4)9). しかし, ANFを発症の起因となった病態別の術後成績についての報告は少ない. 今回我々は人工骨頭またはTHAを施行したANF患者を, 起因する病態すなわちステロイド剤投与に因る症例群, アルコール多飲に因る症例群, 狭義の特発性群, 外傷後に骨頭壊死を生じた症例群に分け術後成績を検討したので報告する. 対象及び方法 対象はANFの診断で人工骨頭またはTHAが行われ, 当科にて6ヵ月以上経過観察が可能であった26例34股である. 手術時年齢24~77歳平均50.7歳, 平均経過観察期間は3年11ヵ月であった.
ISSN:0037-1033