Susceptibility-weighted imaging (SWI) の信号変化が経過観察に有用であった静脈洞血栓症の1例

要旨 : 症例は頭痛と嘔気で発症した17歳男性. 頭部CTで上矢状静脈洞と右横静脈洞と右内頸静脈の血栓化を認め, MR venographyとCT venography(CTV)で同部位の描出が不良であり, cerebral venous sinus thrombosis(CVST)と診断した, 脳血管撮影で既知の静脈洞の欠損像があり, 両頭頂部の造影剤の停滞や循環遅延や静脈の異常拡張や蛇行を認めた. MRIのsusceptibility-weighted imaging(SWI)で皮質・髄質静脈の信号亢進を認めた. 経過中にCTVで再開通を認めるとともに, SWIで静脈の信号亢進の改善を認め...

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Published in脳卒中 Vol. 37; no. 3; pp. 167 - 171
Main Authors 鈴木雄太, 加藤正高, 武井淳, 森良介, 海渡信義, 村山雄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中学会 25.05.2015
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ISSN0912-0726

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Summary:要旨 : 症例は頭痛と嘔気で発症した17歳男性. 頭部CTで上矢状静脈洞と右横静脈洞と右内頸静脈の血栓化を認め, MR venographyとCT venography(CTV)で同部位の描出が不良であり, cerebral venous sinus thrombosis(CVST)と診断した, 脳血管撮影で既知の静脈洞の欠損像があり, 両頭頂部の造影剤の停滞や循環遅延や静脈の異常拡張や蛇行を認めた. MRIのsusceptibility-weighted imaging(SWI)で皮質・髄質静脈の信号亢進を認めた. 経過中にCTVで再開通を認めるとともに, SWIで静脈の信号亢進の改善を認めた. 経時的なSWIの施行で, 静脈うっ滞の程度や範囲の把握や, 治療による再灌流に伴ううっ滞の改善を評価することができた. 今後, これらの結果がCVTの早期の診断と治療法を検討する際の一助になる可能性があると考えられた.
ISSN:0912-0726