股関節に発生したosteoid osteomaの1例

「はじめに」osteoid osteomaは若年者の四肢長管骨(特に歴骨, 大腿骨)骨幹部に好発し, 夜間に増強する疼痛を特徴とし, レ線上nidusと呼ばれる骨透亮像と周囲に骨硬化像を示す良性の造骨性骨腫瘍である. 稀に関節内に発生することがあり, その際関節炎症状が前面に出現し診断が困難になることがある. 今回私達は股関節内に発生し診断に難渋したosteoid osteomaの1例を経験したので報告する. 症例 症例:18歳, 男性. 主訴:左股関節痛. 既往歴:家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成7年3月左股関節に安静時のうずくような痛みと歩行時の電撃痛が出現したため近医を受診した...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 1; pp. 187 - 190
Main Authors 林宗幸, 吉川朝昭, 濱崎直人, 玉城一, 外間力人, 古堅隆司, 金谷文則, 茨木邦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1998
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」osteoid osteomaは若年者の四肢長管骨(特に歴骨, 大腿骨)骨幹部に好発し, 夜間に増強する疼痛を特徴とし, レ線上nidusと呼ばれる骨透亮像と周囲に骨硬化像を示す良性の造骨性骨腫瘍である. 稀に関節内に発生することがあり, その際関節炎症状が前面に出現し診断が困難になることがある. 今回私達は股関節内に発生し診断に難渋したosteoid osteomaの1例を経験したので報告する. 症例 症例:18歳, 男性. 主訴:左股関節痛. 既往歴:家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成7年3月左股関節に安静時のうずくような痛みと歩行時の電撃痛が出現したため近医を受診したが, レ線上特に異常を指摘されなかった. 10カ月後の平成8年1月, 疼痛が持続するため近くの総合病院を受診した. MRI, 骨シンチで異常所見が認められたため腫瘍性病変あるいは色素沈着性絨毛結節性滑膜炎(PVS)が疑われ同年3月当科紹介受診となった. 入院時現症:1)左股関節痛があり跛行も認められたが局所の圧痛や熱感はなかった. 2)左大腿筋萎縮があり, 大腿周囲径は膝蓋骨上縁10cmで健側と比較して3cmの差を認めた.
ISSN:0037-1033