他覚的内耳機能評価法としての誘発耳音響放射
「はじめに」 誘発耳音響放射, Evoked Oto-Acoustic Emission(以下OAEと略)は1978年, Kempのエコー1)として報告された. これに先立ち, Gold2)は蝸牛受容器がmechano-electricalの一方向のみならず, electro-mechanical transducerとして機能しうることを示唆している. Hubbard and Mountain3)はスナネズミ蝸牛中央階への交流通電により, 外耳道で耳音響放射が記録されることを報告し, Brownell4), Becharaら5)はモルモット蝸牛から分離した単一有毛細胞, 支持細胞への通電によ...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 92; no. 2; pp. 221 - 311 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本耳鼻咽喉科学会
20.02.1989
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ISSN | 0030-6622 |
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Summary: | 「はじめに」 誘発耳音響放射, Evoked Oto-Acoustic Emission(以下OAEと略)は1978年, Kempのエコー1)として報告された. これに先立ち, Gold2)は蝸牛受容器がmechano-electricalの一方向のみならず, electro-mechanical transducerとして機能しうることを示唆している. Hubbard and Mountain3)はスナネズミ蝸牛中央階への交流通電により, 外耳道で耳音響放射が記録されることを報告し, Brownell4), Becharaら5)はモルモット蝸牛から分離した単一有毛細胞, 支持細胞への通電により, 外有毛細胞にのみ機械的な変化がおきることを報告した. Mountain6)は外有毛細胞に遠心路として分布する交差性オリーブ蝸牛神経束(COCB)を電気刺激することにより, 蝸牛内の機械系に変化がおこり, 内有毛細胞からの聴神経線維のチューニングが変化する可能性を示唆している. |
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ISSN: | 0030-6622 |