CT上慢性硬膜下血腫の後頭蓋窩にみられる間接所見について

慢性硬膜下血腫(CSH)のCT診断に関して, 天幕上所見の報告は数多い2-10, 13, 23, 34-36, 39)が, 天幕下について述べたものはきわめて少ない. 一般に後頭蓋窩では, 岩様骨によるartifactなどのため所見の評価が難しいことに加えて, 天幕上の所見で比較的容易に診断がつき天幕下の状態に関心が少ないことによるものと思われる. 我々は, CSHのCT所見を検討するうち, 小脳外側縁に沿って帯状低X線吸収領域(low density band in the posterior fossa:LDBP)を高率に認めた. そこで, この所見は天幕上の主たる変化に伴う天幕下の随伴所...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 25; no. 3; pp. 187 - 194
Main Authors 町多賀雄, 前山隆太郎, 高木東介, 吉浦省吾, 鴨井逸馬, 福井仁士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1985
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Summary:慢性硬膜下血腫(CSH)のCT診断に関して, 天幕上所見の報告は数多い2-10, 13, 23, 34-36, 39)が, 天幕下について述べたものはきわめて少ない. 一般に後頭蓋窩では, 岩様骨によるartifactなどのため所見の評価が難しいことに加えて, 天幕上の所見で比較的容易に診断がつき天幕下の状態に関心が少ないことによるものと思われる. 我々は, CSHのCT所見を検討するうち, 小脳外側縁に沿って帯状低X線吸収領域(low density band in the posterior fossa:LDBP)を高率に認めた. そこで, この所見は天幕上の主たる変化に伴う天幕下の随伴所見であると考え, 他の神経疾患および頭痛を訴えCT上正常とされたものと比較検討し, さらに成因について考察する. 対象および方法 対象は, 佐賀県立病院脳神経外科における1979年5月から1983年8月までの症例と, 浜の町病院の1980年4月から1983年8月までの症例である.
ISSN:0470-8105