診断に苦慮した腰椎外側(椎間孔内)ヘルニアの1例

「はじめに」腰椎外側(椎間孔内)ヘルニアの診断は, 臨床症状, MRI所見, CT-discography(CTD)などにより総合的に診断されるが, 多くの場合MRIにて椎間板の変性所見が認められる. 今回われわれは, 術前MRIにて責任高位の椎間板変性所見をまったく認めず, 診断に苦慮した神経孔内ヘルニアを経験したので報告する. 症例 47歳, 女性. 平成15年上旬より左股関節部の違和感が出現した. 4月20日, 仕事中左足に激痛が出現したため, 近医を受診し, NSAIDsを処方されるも疼痛の改善はなく, 4月21日より体動不能の状態で近医に入院した. NSAIDs内服およびノイロトロピ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 3; pp. 523 - 526
Main Authors 吉田龍弘, 朴珍守, 佐藤公昭, 安藤則行, 永田見生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「はじめに」腰椎外側(椎間孔内)ヘルニアの診断は, 臨床症状, MRI所見, CT-discography(CTD)などにより総合的に診断されるが, 多くの場合MRIにて椎間板の変性所見が認められる. 今回われわれは, 術前MRIにて責任高位の椎間板変性所見をまったく認めず, 診断に苦慮した神経孔内ヘルニアを経験したので報告する. 症例 47歳, 女性. 平成15年上旬より左股関節部の違和感が出現した. 4月20日, 仕事中左足に激痛が出現したため, 近医を受診し, NSAIDsを処方されるも疼痛の改善はなく, 4月21日より体動不能の状態で近医に入院した. NSAIDs内服およびノイロトロピンの点滴により, 入院後3日間程で徐々に疼痛は和らいできたが, 疼痛持続していたため精査治療目的で5月21日当科入院となった. 入院時の所見歩行は疼痛のため5-10m程度可能であった. 左のL3領域に一致して持続的な鈍痛を認め, 一日に数回電撃痛のような激痛の発作が起こる状態であった. 同部位にしびれおよび知覚の低下を認めた. 左彎部に叩打痛および圧痛を認めた.
ISSN:0037-1033