単純性血管腫のレーザー治療
「要旨」単純性血管腫の治療は, 現在色素レーザー照射が第一選択となっている. 単純性血管腫に対するレーザーの治療効果を高めるためには, ゼロ歳の早期から照射を開始することが重要である. 治療開始年齢が高くなるにつれて, 通院でのレーザー照射は困難となる. またアザ自体の物理的面積も大きくなり, 同一部位に繰り返し照射するのに時間と手間を要することになる. 皮膚の厚さも増すため, 有効率は低下する. 本稿では, われわれの施設で行っている単純性血管腫の早期治療を中心に述べる. 「1. はじめに」単純性血管腫は, 生下時より皮膚に認められる表面平坦で赤色を呈するアザである. 血管内皮細胞の増殖を伴...
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Published in | 日本レーザー医学会誌 Vol. 36; no. 1; pp. 73 - 76 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本レーザー医学会
15.04.2015
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ISSN | 0288-6200 |
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Summary: | 「要旨」単純性血管腫の治療は, 現在色素レーザー照射が第一選択となっている. 単純性血管腫に対するレーザーの治療効果を高めるためには, ゼロ歳の早期から照射を開始することが重要である. 治療開始年齢が高くなるにつれて, 通院でのレーザー照射は困難となる. またアザ自体の物理的面積も大きくなり, 同一部位に繰り返し照射するのに時間と手間を要することになる. 皮膚の厚さも増すため, 有効率は低下する. 本稿では, われわれの施設で行っている単純性血管腫の早期治療を中心に述べる. 「1. はじめに」単純性血管腫は, 生下時より皮膚に認められる表面平坦で赤色を呈するアザである. 血管内皮細胞の増殖を伴わないため, 近年では血管腫という表現を用いずに毛細血管形成異常 (capillary malformation) という用語が使われるようになってきた. 本稿では, 便宜上従来からの慣用に従い単純性血管腫と呼ぶ. 単純性血管腫に対しては, 過去に放射線治療 (デルモパン) やドライアイス圧抵療法が行われた時代があった. |
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ISSN: | 0288-6200 |