前床突起切除(anterior clinoidectomy)を施行した内頚動脈―後交通動脈分岐部動脈瘤(IC-PC AN)の検討

「はじめに」内頚動脈―後交通動脈分岐部動脈瘤(以下IC-PC AN)は, 通常はpterional approachで比較的容易にクリッピング可能なものも多い. しかし, 動脈瘤の大きさ, 向き, 頭蓋内内頚動脈の走行や動脈硬化の強さなどによりクリッピングに困難を感じることも少なくない. さらに, 近年の血管内治療の進歩に伴う手術症例数の制限に加えて, 高齢化に伴う高度動脈硬化症例の増加や血管内治療困難例など, 複雑な動脈瘤を手術する割合が増加してきている4)8). このような要因もあり, IC-PC ANの中では, (1)動脈瘤が大型の場合や, (2)proximal neckが前床突起によ...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 41; no. 2; pp. 137 - 142
Main Authors 清水重利, 山道茜, 谷岡悟, 市川尚己, 石垣共基, 佐藤裕, 宮史卓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中の外科学会 31.03.2013
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ISSN0914-5508

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Summary:「はじめに」内頚動脈―後交通動脈分岐部動脈瘤(以下IC-PC AN)は, 通常はpterional approachで比較的容易にクリッピング可能なものも多い. しかし, 動脈瘤の大きさ, 向き, 頭蓋内内頚動脈の走行や動脈硬化の強さなどによりクリッピングに困難を感じることも少なくない. さらに, 近年の血管内治療の進歩に伴う手術症例数の制限に加えて, 高齢化に伴う高度動脈硬化症例の増加や血管内治療困難例など, 複雑な動脈瘤を手術する割合が増加してきている4)8). このような要因もあり, IC-PC ANの中では, (1)動脈瘤が大型の場合や, (2)proximal neckが前床突起によって確保が困難な場合などでは, 通常のpterional approachに加えanterior clinoidectomyが必須となる症例に遭遇する機会も増えてきている. Dolenc approach1-3)は, anterior clinoidectomyを施行し, 内頚動脈C3部や海綿静脈洞へ到達可能な頭蓋底手技であるが, その汎用性は広い.
ISSN:0914-5508