スポーツ選手の半月板損傷と靱帯損傷の合併について

「はじめに」スポーツ選手において半月板損傷とACL損傷の合併が多くみられる. 今回我々は, 当院において過去1年間に関節鏡を行った34症例について, 若干の文献的考察を加え報告する. 対象 平成6年度に当科において関節鏡を施行したスポーツ選手34例で, 男性21例, 女性13例である. 年齢は, 13~37歳で, 平均21.5歳であった. スポーツの内訳は, 陸上, バレーボール, ソフトボール, サッカーが5例ずつ, ラグビーが4例, バスケットボールが3例と上位を占めた. 半月板とACLの損傷部位は表1の通りで, 合併損傷が15例, 44.1%で見られた. 原則的に, ACLの完全損傷に対...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 3; pp. 813 - 815
Main Authors 福村憲司, 谷口良康, 牧信哉, 濱里雄次郎, 岡村一幸, 山浦一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」スポーツ選手において半月板損傷とACL損傷の合併が多くみられる. 今回我々は, 当院において過去1年間に関節鏡を行った34症例について, 若干の文献的考察を加え報告する. 対象 平成6年度に当科において関節鏡を施行したスポーツ選手34例で, 男性21例, 女性13例である. 年齢は, 13~37歳で, 平均21.5歳であった. スポーツの内訳は, 陸上, バレーボール, ソフトボール, サッカーが5例ずつ, ラグビーが4例, バスケットボールが3例と上位を占めた. 半月板とACLの損傷部位は表1の通りで, 合併損傷が15例, 44.1%で見られた. 原則的に, ACLの完全損傷に対しては再建術を, 不全損傷に対しては, 処置を行わなかった. 半月板に対しては, 適応と判断したものは縫合を, それ以外のものは切除を行った. 結果 観察期間は短いが, 現在のところ再断裂を認める事なく, 全例スポーツに復帰している. 今回我々は, これらの症例の中でも, 理学所見では不安定性を認めなかったが, 鏡視上, 線維の露出やlooseningを認めたACL不全損傷で半月板を縫合した7症例に対し, 検討した. 症例 18歳, 男性. 平成6年12月30日, ラグビー試合中に右膝を捻り受傷. 7年1月30日, 右膝関節痛を主訴に当院受診した.
ISSN:0037-1033