雷鳴様頭痛と限局性のくも膜下出血を伴った可逆性脳血管攣縮症候群 (RCVS) の1例

「要旨」:44歳の女性, 運動中に突然の激しい頭痛が出現し翌日に前医を受診, 頭部CT(HCT)にて左後頭葉に限局するクモ膜下出血(SAH)を認め, 発症5日目に当科を紹介受診. 頸部痛を伴う頭痛と項部硬直を認めたが, 他の神経脱落所見はなかった. HCTと頭部MRIでは左後頭葉に限局するSAHを認め, 頭部MR angiography(MRA)ではSAHの局在と離れた左右の中大脳動脈(MCA)の末梢部に分節状攣縮を認めた. その他に出血源となる異常はなく, 他の臨床検査所見でも原因となる異常は認めなかった. 保存的加療にて頭痛は発症1週間ほどで消失し, 新たな神経症状も出現しなかった. 発症...

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Published in脳卒中 Vol. 36; no. 4; pp. 283 - 286
Main Authors 青山雄一, 大田信介, 榊三郎, 藤田豊久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中学会 25.07.2014
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ISSN0912-0726

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Summary:「要旨」:44歳の女性, 運動中に突然の激しい頭痛が出現し翌日に前医を受診, 頭部CT(HCT)にて左後頭葉に限局するクモ膜下出血(SAH)を認め, 発症5日目に当科を紹介受診. 頸部痛を伴う頭痛と項部硬直を認めたが, 他の神経脱落所見はなかった. HCTと頭部MRIでは左後頭葉に限局するSAHを認め, 頭部MR angiography(MRA)ではSAHの局在と離れた左右の中大脳動脈(MCA)の末梢部に分節状攣縮を認めた. その他に出血源となる異常はなく, 他の臨床検査所見でも原因となる異常は認めなかった. 保存的加療にて頭痛は発症1週間ほどで消失し, 新たな神経症状も出現しなかった. 発症8日目の血管造影では, 頭部MRA同様に左MCA部に分節状の攣縮を認め, 可逆性脳血管攣縮症候群と診断した. 攣縮は発症約1カ月後のMRAでは消失していた. 以後の再発を認めていない. 「はじめに」 可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome;RCVS)は, 当初はCall-Fleming syndromeとして報告され, Calabreseらにより様々な病態を含む一連の症候群として提唱された疾患である.
ISSN:0912-0726