Gliomaに対する長期免疫・化学療法の治療成績

脳腫瘍に対する化学療法は, nitrosourea系の制癌剤の導入以来, 本剤を中心として活発に行われるようになり, 欧米におけるrandomized studyにおいても, 手術および放射線治療に加えて化学療法を施行することにより, コントロール群に比して好成績を収めうることが報告されている17). さらに成績を向上させるために, 計画的に長期にわたり, かつ多剤併用による治療が一般的になりつつある. 我が国において, 脳腫瘍に対する化学療法の現状は, 全国脳腫瘍集計調査8)によれば, 3%の施設で実施されているにすぎない. 我々はgliomaに対して1-(2-chloroethy1)-3-...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 21; no. 10; pp. 1025 - 1031
Main Authors 久間祥多, 中島麓, 篠永正道, 山下俊紀, 桑原武夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1981
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ISSN0470-8105

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Summary:脳腫瘍に対する化学療法は, nitrosourea系の制癌剤の導入以来, 本剤を中心として活発に行われるようになり, 欧米におけるrandomized studyにおいても, 手術および放射線治療に加えて化学療法を施行することにより, コントロール群に比して好成績を収めうることが報告されている17). さらに成績を向上させるために, 計画的に長期にわたり, かつ多剤併用による治療が一般的になりつつある. 我が国において, 脳腫瘍に対する化学療法の現状は, 全国脳腫瘍集計調査8)によれば, 3%の施設で実施されているにすぎない. 我々はgliomaに対して1-(2-chloroethy1)-3-(4-methyl-cyclohexyl)-1-nitrosourea(Me-CCNU)を軸とする多剤療法に, さらに免疫療法剤としてOK-432を加えた免疫・化学療法を実施しており, 開始より5年が経過し, 症例が増加したので, 治療成績ならびに長期投与による全身的な影響について検討した.
ISSN:0470-8105