語音地図による補聴効果評価の追跡調査

「1. はじめに」 補聴器のフィッティング方法には, 多くの方法1)2)が提案され使用されているが, いまだどの方法が最適か結論は出ていない. その理由として, フィッティング法の評価に定まった方法がないことが挙げられる. 補聴効果の評価にも, フィッティング直後の評価と, 数カ月または数年使用した後の評価がある. 我々は補聴器本来の目的が, ことばによるコミュニケーション能力の向上であるという観点から, 語音聴力を指標とする補聴器の評価法の研究を行ってきた3). また, 難聴者の装用感, 音質などに関する好みについての評価と, コミュニケーション能力の向上という点との関連性についても検討して...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 93; no. 4; pp. 590 - 701
Main Authors 細井裕司, 飯田覚, 村田清高, 太田文彦, 今泉敏, 廣瀬肇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.04.1990
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Summary:「1. はじめに」 補聴器のフィッティング方法には, 多くの方法1)2)が提案され使用されているが, いまだどの方法が最適か結論は出ていない. その理由として, フィッティング法の評価に定まった方法がないことが挙げられる. 補聴効果の評価にも, フィッティング直後の評価と, 数カ月または数年使用した後の評価がある. 我々は補聴器本来の目的が, ことばによるコミュニケーション能力の向上であるという観点から, 語音聴力を指標とする補聴器の評価法の研究を行ってきた3). また, 難聴者の装用感, 音質などに関する好みについての評価と, コミュニケーション能力の向上という点との関連性についても検討してきたが4), 現在までに発表してきたことは, 主としてフィッティング直後の評価に関するものであった. 今回フィッティング直後に語音地図による評価を行った症例に対し, 評価後3, 4年経過した後の装用状態についてアンケート調査を実施したので, フィッティング直後の評価との関連を検討するとともに, 補聴効果またはより広く補聴全般に関しての評価法についての問題点を考えてみたい.
ISSN:0030-6622