下肢関節内骨折に対するHA graftの使用経験
「はじめに」Hydroxy-apatite(以下HAと略)は, 骨欠損に対する充填材として主に骨腫瘍や人工関節置換術に使用され安定した成績が報告されている. 我々は, 下肢関節内骨折における海綿骨の圧潰性欠損にHA graftを併用し治療を行ない良好な結果を得ているので, その成績及び適応について報告する. 対象症例 症例は1993年1月より1995年3月までにHA graftを併用して手術治療を行った27例で, 内訳は脛骨近位端骨折16例(AO分類2)B-2:4例, B-3:7例, C-2:2例, C-3:3例), 脛骨遠位端骨折3例(AO分類2)C-1:1例, C-2:1例, C-3:1例...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 3; pp. 1013 - 1016 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1996
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」Hydroxy-apatite(以下HAと略)は, 骨欠損に対する充填材として主に骨腫瘍や人工関節置換術に使用され安定した成績が報告されている. 我々は, 下肢関節内骨折における海綿骨の圧潰性欠損にHA graftを併用し治療を行ない良好な結果を得ているので, その成績及び適応について報告する. 対象症例 症例は1993年1月より1995年3月までにHA graftを併用して手術治療を行った27例で, 内訳は脛骨近位端骨折16例(AO分類2)B-2:4例, B-3:7例, C-2:2例, C-3:3例), 脛骨遠位端骨折3例(AO分類2)C-1:1例, C-2:1例, C-3:1例), 踵骨骨折8例(Arnesen分類1)Stamp type:4例, Depression type:2例, Tongue type:2例)であった. 治療方法 いずれの症例も骨折部を展開し, 整復した後に生じた海綿骨の欠損にHA graftを行ないplateにて固定を行なった. 結果 全例, 順調に骨癒合を得ている. 異物反応を示した症例はなく, 感染症例もなかった. X線上, HA周囲の透亮像を認めたり, HAの逸脱を認める症例はなかった. 症例 症例1.69歳, 女性, 右脛骨近位端骨折. AO分類43-C-3. 交通事故にて受傷, 受傷後10日目に手術施行. |
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ISSN: | 0037-1033 |