舌根甲状腺の手術療法

舌根甲状腺の治療に際しては, 本疾患の70%以上の例では本来の甲状腺を欠如しているという事実を念頭におく必要がある. すなわち, 全摘出すると機能低下をきたすことが多いわけである. 機能保存手術として栄養血管を保存した移植術がすぐれているが, 栄養血管の明らかでない例もみられる. このような場合には, 一側の固有舌筋と外来舌筋を舌根甲状腺から剥離せずに, 有茎弁の形で腫瘤を舌根部から移動することで, 甲状腺機能を保存したまま目的を達することができる. 6歳女子の自験例をもとに, 本術式を報告した....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 90; no. 9; pp. 1359 - 1363
Main Authors 小川明, 山下公一, 宮崎巨, 斎藤武久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.1987
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ISSN0030-6622

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Summary:舌根甲状腺の治療に際しては, 本疾患の70%以上の例では本来の甲状腺を欠如しているという事実を念頭におく必要がある. すなわち, 全摘出すると機能低下をきたすことが多いわけである. 機能保存手術として栄養血管を保存した移植術がすぐれているが, 栄養血管の明らかでない例もみられる. このような場合には, 一側の固有舌筋と外来舌筋を舌根甲状腺から剥離せずに, 有茎弁の形で腫瘤を舌根部から移動することで, 甲状腺機能を保存したまま目的を達することができる. 6歳女子の自験例をもとに, 本術式を報告した.
ISSN:0030-6622