肩腱板広範囲断裂に対する腱板縫合術の成績 - 非手術側 (健側) との比較

【はじめに】広範囲腱板断裂手術例(massive rotator cuff tear, 以下m-RCT)は, 肩関節可動域(range of motion, 以下ROM)制限が主訴となることが多い. 一方, ROMの回復に関して, 術後患側と非手術側(以下, 健側)とを比較した報告は少ない. 本研究ではm-RCTの術後ROMとROM患健比を検討したので報告する. 【対象および方法】m-RCTに対し一次修復術が可能であった29例29肩を対象とした. 平均年齢は66.5歳, 平均経過観察期間は46カ月であった. 調査項目は健側ROM(屈曲・外旋・内旋:内旋はJOAスコアに基づき点数化)と術前後患側...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 1; pp. 101 - 104
Main Authors 親富祖徹, 山口浩, 呉屋五十八, 当真孝, 森山朝裕, 當銘保則, 金谷文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2020
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ISSN0037-1033

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Summary:【はじめに】広範囲腱板断裂手術例(massive rotator cuff tear, 以下m-RCT)は, 肩関節可動域(range of motion, 以下ROM)制限が主訴となることが多い. 一方, ROMの回復に関して, 術後患側と非手術側(以下, 健側)とを比較した報告は少ない. 本研究ではm-RCTの術後ROMとROM患健比を検討したので報告する. 【対象および方法】m-RCTに対し一次修復術が可能であった29例29肩を対象とした. 平均年齢は66.5歳, 平均経過観察期間は46カ月であった. 調査項目は健側ROM(屈曲・外旋・内旋:内旋はJOAスコアに基づき点数化)と術前後患側ROMとを調査し, 術前後の患側ROM変化とROM患健比を検討した. 【結果】平均健側ROMは屈曲153°, 外旋61°, 内旋5.6 点であった. 患側ROMは術前(屈曲88°, 外旋38°, 内旋3.9点)が術後(142°, 52°, 5.3点)と有意に改善した(各々, p<0.05). 術後ROM患健比は屈曲93%, 外旋85%, 内旋95%であった. 【まとめ】RCTに対する一次修復術後ROMの回復は, 患健比の比較でも良好な結果であった.
ISSN:0037-1033