当科における自己血輸血の経験

「目的」近年, 整形外科領域において待機手術症例には自己血輸血を用いて手術を行う機会が増加している. 当科でも1990年より貯血式自己血輸血を使用して人工股関節置換術(以下THR), 人工股関節再置換術(以下revision), Chiari骨盤骨切り術, 人工膝関節置換術(以下TKR)を施行し, 良好な結果を得ているので報告する. 対象と方法 1990年4月から1997年7月までに貯血式自己血輸血を用いて手術を施行した65例72関節を対象とした. 男性10例11関節, 女性55例61関節, 年齢は34～81歳, 平均61.3歳であった, 原疾患は, 変形性股関節症59股, 慢性関節リウマチ2...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 4; pp. 1328 - 1333
Main Authors 橋本幸枝, 佐藤直人, 斎藤吉由, 樋口富士男, 井上明生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1998
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ISSN0037-1033

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Summary:「目的」近年, 整形外科領域において待機手術症例には自己血輸血を用いて手術を行う機会が増加している. 当科でも1990年より貯血式自己血輸血を使用して人工股関節置換術(以下THR), 人工股関節再置換術(以下revision), Chiari骨盤骨切り術, 人工膝関節置換術(以下TKR)を施行し, 良好な結果を得ているので報告する. 対象と方法 1990年4月から1997年7月までに貯血式自己血輸血を用いて手術を施行した65例72関節を対象とした. 男性10例11関節, 女性55例61関節, 年齢は34～81歳, 平均61.3歳であった, 原疾患は, 変形性股関節症59股, 慢性関節リウマチ2股, 大腿骨頭壊死症3股, 変形性膝関節症8膝であり, 手術はTHR49股, revision6股, Chiari骨盤骨切り術6股, Chiariと大腿骨外反骨切り術併用3股, TKR8膝を施行した. 自己血貯血プログラムは, 800ml貯血では入院時と入院後1週にそれぞれ400mlを貯血し, 35例にはエリスロポエチン(以下EPO)6000単位週3回, 計6回を静脈内投与した(図1). 採血は医師の指示により看護婦が行い, 薬局の保冷庫に保管した.
ISSN:0037-1033