特発性両側性末梢前庭機能低下症
「はじめに」両側末梢前庭機能低下症は, 両側の前庭神経~内耳平衡感覚器領域の障害と定義できる. その原因としては, アミノグリコシド系抗菌薬などの耳毒性薬剤の使用, 髄膜炎, 自己免疫性内耳障害, 両側メニエール病, 加齢など様々なものが挙げられる. また新たな症候群としては, 両側前庭機能低下, 小脳萎縮, 軸索長非依存性感覚神経障害を三徴とするcerebellar ataxia, neuropathy, vestibular areflexia syndrome(CANVAS)が報告された1). 一方, 原因不明に両側末梢前庭機能低下を来す症例は, 特発性両側性末梢前庭機能低下症(idio...
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Published in | めまい平衡医学 Vol. 72; no. 6; pp. 501 - 503 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本めまい平衡医学会
01.12.2013
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Summary: | 「はじめに」両側末梢前庭機能低下症は, 両側の前庭神経~内耳平衡感覚器領域の障害と定義できる. その原因としては, アミノグリコシド系抗菌薬などの耳毒性薬剤の使用, 髄膜炎, 自己免疫性内耳障害, 両側メニエール病, 加齢など様々なものが挙げられる. また新たな症候群としては, 両側前庭機能低下, 小脳萎縮, 軸索長非依存性感覚神経障害を三徴とするcerebellar ataxia, neuropathy, vestibular areflexia syndrome(CANVAS)が報告された1). 一方, 原因不明に両側末梢前庭機能低下を来す症例は, 特発性両側性末梢前庭機能低下症(idiopathic bilateral vestibulopathy:IBV)として, 近年報告がなされている2). 本稿ではIBVの臨床的特徴について解説する. 「IBVの臨床的特徴」IBVは, 1989年Balohらによって初めて提唱された原因不明の両側性末梢前庭機能障害を来たす疾患群である2). |
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ISSN: | 0385-5716 |