胸・腰椎部損傷の観血的治療

「はじめに」胸, 腰椎部損傷の観血的治療においてはさまざまなinstrumentが用いられる. 当院では1983年以降Roy-Comille plateを用いて治療を行ってきた. しかしながら, 最近では固定範囲の縮小なども考慮し他のinstrumentに変更している. そこで, 過去10年間(1987年~)にspinal instrumentationを用い治療した胸, 腰椎部損傷についてRoy-Comille plateと最近のsystemについて臨床的検討を行ったので報告する. 対象 症例は胸, 腰椎部損傷29例で, その内訳は年令18~74歳(平均47歳), 男性26例, 女性3例であ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 3; pp. 969 - 972
Main Authors 貴船雅夫, 弓削大四郎, 三村寛, 酒井和裕, 中村克巳, 伊達武利, 堀内英彦, 東栄治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1998
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」胸, 腰椎部損傷の観血的治療においてはさまざまなinstrumentが用いられる. 当院では1983年以降Roy-Comille plateを用いて治療を行ってきた. しかしながら, 最近では固定範囲の縮小なども考慮し他のinstrumentに変更している. そこで, 過去10年間(1987年~)にspinal instrumentationを用い治療した胸, 腰椎部損傷についてRoy-Comille plateと最近のsystemについて臨床的検討を行ったので報告する. 対象 症例は胸, 腰椎部損傷29例で, その内訳は年令18~74歳(平均47歳), 男性26例, 女性3例であった. 受傷原因は転落16例, 交通事故8例, 重量物落下5例となっていた. 損傷レベルはT11:1例, T12:5例, L1:16例, L2:7例, L3:5例, L4:1例であり, 他のレベルでの椎体圧迫骨折合併も6例認めた. 手術適応は不安定型の胸腰椎移行部損傷を対象とし, 損傷形態は破裂骨折26例, 脱臼骨折4例(隣接下位の破裂骨折2例含), chance骨折1例であった. 術式選択は主たる損傷が前方で脊柱管内の骨片が神経を圧迫しているものは前方除圧(前方法もしくは前, 後方法)を, 主たる損傷が後方であるものは後方法を原則として選択した. 一方で主たる損傷が前方であっても, 神経症状を有せず脊柱管内の骨片が比較的小さい例では後方法で対応した.
ISSN:0037-1033