距骨下関節不安定症のX線評価

「はじめに」足関節および距骨下関節の捻挫は, 両者とも足部の内反矯正で生じるが, 日常診療おいては別々のストレスX線撮影により評価する事が多い. しかし足部捻挫の場合, 症状より両者を区別する事は難しく, また両側を比較する場合もあり, 撮影枚数の増加は放射線被爆の問題も生じてくる. 今回の目的は現在広く一般に行われている前方引き出し時の, 足関節側面像より, 距骨下関節不安定症の評価の可能性について検討した. 対象および方法 対象としたのは当科外来を受診した足関節捻挫及び健常者例16例32足で, 男8例女8例, 年齢は13才より64才まで, 平均32.5才であった. まず被験者を撮影台の上に...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 1; pp. 67 - 68
Main Authors 寺本司, 中村智, 牧野佳朗, 岩崎勝郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」足関節および距骨下関節の捻挫は, 両者とも足部の内反矯正で生じるが, 日常診療おいては別々のストレスX線撮影により評価する事が多い. しかし足部捻挫の場合, 症状より両者を区別する事は難しく, また両側を比較する場合もあり, 撮影枚数の増加は放射線被爆の問題も生じてくる. 今回の目的は現在広く一般に行われている前方引き出し時の, 足関節側面像より, 距骨下関節不安定症の評価の可能性について検討した. 対象および方法 対象としたのは当科外来を受診した足関節捻挫及び健常者例16例32足で, 男8例女8例, 年齢は13才より64才まで, 平均32.5才であった. まず被験者を撮影台の上に仰臥位をとらせ, 足関節ストレスの撮影台に下腿をのせ, 足関節側面像を撮影する. 次に同様な肢位で下腿を下方に押しそのときの足関節側面像を撮影した. この時の足関節側面像における踵骨前縁に直線をひき線をひき, 更に距骨前縁をとうり, この直線に平行になるような直線を引き, 両者の距離を求め, 平静時と前方引き出し時の距離の差をもって距骨移動量とした.
ISSN:0037-1033