小児気管切開症例在宅管理の一工夫

小児の気管切開は過去において, その管理の困難さから敬遠される傾向があった. しかし, 延命治療の向上とともに, 呼吸管理や気道確保を目的として, 小児においても気管切開の行われる機会が増加してきた. それに伴い気管切開をうけた患児の在宅管理症例が増加してきている. 嚥下障害を伴う気管切開患児の在宅看護は, 現在市販されている吸引器では10~15分位までしか持続して吸引できないため, 喀痰の吸引の回数が非常に多く, 看護する家族の負担は大きい. また, 携帯用の吸引器では一度の充電で最大30分位までしか使用できないため, 病院と自宅の往復や外出する際に制限がある. そこで, 胸腔ドレナージ用の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 106; no. 5; pp. 507 - 509
Main Authors 中野友明, 愛場庸雅, 久保武志, 山田浩二, 和田匡史, 鵜山太一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 2003
Online AccessGet full text
ISSN0030-6622

Cover

More Information
Summary:小児の気管切開は過去において, その管理の困難さから敬遠される傾向があった. しかし, 延命治療の向上とともに, 呼吸管理や気道確保を目的として, 小児においても気管切開の行われる機会が増加してきた. それに伴い気管切開をうけた患児の在宅管理症例が増加してきている. 嚥下障害を伴う気管切開患児の在宅看護は, 現在市販されている吸引器では10~15分位までしか持続して吸引できないため, 喀痰の吸引の回数が非常に多く, 看護する家族の負担は大きい. また, 携帯用の吸引器では一度の充電で最大30分位までしか使用できないため, 病院と自宅の往復や外出する際に制限がある. そこで, 胸腔ドレナージ用の電池式吸引ポンプ(サクションワンS-1型)を吸引器のシステムに組み込むことで, 持続的に喀痰を吸引することが可能となり, 普通の吸引器の使用頻度を軽減することができた. それに伴い, 看護する家族の負担や移動の制限を軽減することが可能となったので報告する.
ISSN:0030-6622