静的および動的姿勢制御において, 支持足(軸足)は支持足機能を果たしているか?

目的は, 静的および動的姿勢制御において, 非利き足(支持足)が支持機能を果たしているのか検討することである. 大学ハンドボール部29名を対象にした. 支持足は, 右が4名, 左が25名であった. 静的姿勢制御として, バランスパッド上に, 開眼または閉眼にて片足で立たせた. 開眼は5秒間, 閉眼は3秒間静止させた. 動的姿勢制御として, 40cmの椅子から3種類の不安定な床面に片足で落下着地し, 身体の平衡を3秒間保持させた. 3種類の不安定な床面は, バランスパッド, 左右に揺れる大型不安定板, 前後に揺れる大型不安定板であった, 各測定とも利き足と支持足にて行い, 5回成功するまで実施し...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 4; pp. 739 - 743
Main Authors 井原秀俊, 小松陽子, 高山正伸, 池永千寿子, 田代美由紀, 池田修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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ISSN0037-1033

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Summary:目的は, 静的および動的姿勢制御において, 非利き足(支持足)が支持機能を果たしているのか検討することである. 大学ハンドボール部29名を対象にした. 支持足は, 右が4名, 左が25名であった. 静的姿勢制御として, バランスパッド上に, 開眼または閉眼にて片足で立たせた. 開眼は5秒間, 閉眼は3秒間静止させた. 動的姿勢制御として, 40cmの椅子から3種類の不安定な床面に片足で落下着地し, 身体の平衡を3秒間保持させた. 3種類の不安定な床面は, バランスパッド, 左右に揺れる大型不安定板, 前後に揺れる大型不安定板であった, 各測定とも利き足と支持足にて行い, 5回成功するまで実施した. 失敗数も記録した, 膝に装着した3軸加速度計で膝の揺れを評価した. 加速度の順方向最大値と逆方向最大値の和を最大振幅(MAA)とした. 結果は, バランスパッドへの着地では, 支持足が利き足よりもMAAが小さかった. 静的状態および大型不安定板への着地では, MAAに両足間で有意差はみられなかった. 失敗数は静的および動的課題とも両足間で有意差はなかった. スポーツ選手の訓練やリハビリテーションプログラムにおいては, 支持足の支持足機能を考慮すべきである.
ISSN:0037-1033