急性脊髄硬膜外血腫の治療
「はじめに」急性脊髄硬膜外血腫はMRIの普及とともに診断が容易になり極めて稀な疾患ではなくなった. しかし, 治療となると, いまだこれといった基準がないようだ. 我々は, 今回手術療法の2例と保存療法の1例を自ら経験した. これらの経験を基に, 文献を参考にし今後の治療方針を決めた. 「対象」(症例1)32歳, 男性. 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:発症4時間後に来院した. 来院時は, 両乳頭部までの完全麻痺があった. MRI(図1)では, T2-3に血腫像があった. 本人, 家族と協義の上, 発症10時間後より血腫除去術を行った. 2年後の状態は, 車椅子による移動と自己間欠導尿で...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 3; pp. 726 - 730 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2001
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ISSN | 0037-1033 |
Cover
Summary: | 「はじめに」急性脊髄硬膜外血腫はMRIの普及とともに診断が容易になり極めて稀な疾患ではなくなった. しかし, 治療となると, いまだこれといった基準がないようだ. 我々は, 今回手術療法の2例と保存療法の1例を自ら経験した. これらの経験を基に, 文献を参考にし今後の治療方針を決めた. 「対象」(症例1)32歳, 男性. 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:発症4時間後に来院した. 来院時は, 両乳頭部までの完全麻痺があった. MRI(図1)では, T2-3に血腫像があった. 本人, 家族と協義の上, 発症10時間後より血腫除去術を行った. 2年後の状態は, 車椅子による移動と自己間欠導尿であった. Frankel Grade A⇒Cとなった症例である. (症例2)45歳, 男性. 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:発症時, 四肢は全く動かなかった. しかし, 発症2時間後より手足が少し動くようになったと言った. 9時間後紹介にて当院を受診した. MRI上(図2), C3-Th3に血腫像があった. |
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ISSN: | 0037-1033 |