セメントレス人工股関節のステム側の変化について

「はじめに」セメント使用人工股関節は, 骨溶解を起こした場合広汎な骨欠損を生じ, 再置換時に問題となる5). そこで, 最近我々は若年者を中心にセメントレス人工股関節を使用している. 今回, セメントレス人工股関節のステム側の変化を, X線より検討したので報告する. 対象及び方法 平成3年から平成6年まで当科においてOmniflex型セメントレス人工股関節にて置換術を施行した. 30例30関節のうち1年以上経過観察可能であった, 15例15関節を対象とした. 男性1例, 女性14例, 年齢46歳~77歳(平均63.6歳)で, 全て変形性股関節症であった. 経過観察期間は12ヵ月~40ヵ月(平均...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 3; pp. 768 - 770
Main Authors 宮本健史, 林泰夫, 泉清治, 伊達徹, 鶴上浩, 土屋立昭, 絹原寛士, 藤本徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」セメント使用人工股関節は, 骨溶解を起こした場合広汎な骨欠損を生じ, 再置換時に問題となる5). そこで, 最近我々は若年者を中心にセメントレス人工股関節を使用している. 今回, セメントレス人工股関節のステム側の変化を, X線より検討したので報告する. 対象及び方法 平成3年から平成6年まで当科においてOmniflex型セメントレス人工股関節にて置換術を施行した. 30例30関節のうち1年以上経過観察可能であった, 15例15関節を対象とした. 男性1例, 女性14例, 年齢46歳~77歳(平均63.6歳)で, 全て変形性股関節症であった. 経過観察期間は12ヵ月~40ヵ月(平均23.8ヵ月)である. 臨床症状はJOAスコアより検討した. 術直後と最終経過観察時点でのX線前後像について, 以下の項目について検討した. (1)固定性(2)髄腔占拠率(3)近位骨硬化(4)骨透亮像(5)Stress Shield(6)沈下(7)Pedestal Formation 固定性については, Enghの分類1)に準じて判定した(表1). 髄腔占拠率については, 小転子直下とステム先端の2ヵ所でX線前後像を用いて測定した. (図1)測定法は井村の方法3)に準じて行った. Stress ShieldはEnghの分類1)に準じて判定した(表2). 結果 JOAスコアーは術前平均44.7点から術後平均75.5点へと改善した. 固定性;unstableが2例みられた.
ISSN:0037-1033