Chondroitinase ABCの家兎椎間板マトリックスに対する作用
「はじめに」Chemonucleolysisは, chymopapain, collagenaseの報告以来多くの臨床応用がなされてきたが, 神経毒性あるいは血管血流系に対する合併症から, 新しい薬剤の開発も望まれている. これらにかわる注入酵素として, 椎間板マトリックスの主要成分であるproteoglycan (PG) の chondroitin sulfate(CS)を特異的に分解するchondroitinase ABC(CHABC)4)が注目を集めている. すでに, CHABCがchymopapain(CP)と同等の椎間腔狭小化を引き起こす事, 組織障害性は軽度であり再生髄核部は正常の...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 2; pp. 447 - 449 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1998
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Summary: | 「はじめに」Chemonucleolysisは, chymopapain, collagenaseの報告以来多くの臨床応用がなされてきたが, 神経毒性あるいは血管血流系に対する合併症から, 新しい薬剤の開発も望まれている. これらにかわる注入酵素として, 椎間板マトリックスの主要成分であるproteoglycan (PG) の chondroitin sulfate(CS)を特異的に分解するchondroitinase ABC(CHABC)4)が注目を集めている. すでに, CHABCがchymopapain(CP)と同等の椎間腔狭小化を引き起こす事, 組織障害性は軽度であり再生髄核部は正常の形態を呈する事が報告されているが1-3), 酵素濃度と椎間板修復能との関係, ことに椎間板マトリックスに対する影響については, 不明な点が多い. そこで明らかに椎間板高を狭小化させる高濃度のCHABCが, 家兎椎間板マトリックスにいかなる影響を及ぼすかを, CPと比較検討して明らかにする目的で以下の実験を行った. 対象及び方法 まず体重2kgに家兎を用いて, 種々の濃度のCHABC, CPを25μlずつ1椎間板あたり注入し, 2週で椎間板高狭小化の有無を検討したところ, CHABC, CPともに狭小化を起こす最小濃度の100倍の濃度で, 同等に50%の狭小化がみられた. |
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ISSN: | 0037-1033 |