置換液M-solを用いた置換血小板(R-PC)調製のプロセスバリデーションに関する検討
非溶血性輸血副作用の防止のために, 各医療機関ではさまざまな方法で洗浄・置換血小板(W/R-PC)が院内調製されてきた. そのなかで, M-solを置換液とするW/R-PCが, 最も血小板機能を維持できると報告されている. そこで, 我々は, 当院におけるM-solを置換液とした置換血小板(R-PC)の標準作業手順書(SOP)を作成し, 院内調製の標準化のために前臨床評価した. SOPに従ったM-solおよびR-PCを調製(n=8)し, M-solの組成検査(pH, Na +, K +, Cl -, Mg 2+濃度)とR-PCの機能検査(血小板数, Glucose濃度, P-selectin陽...
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Published in | 日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 57; no. 5; pp. 379 - 385 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血・細胞治療学会
2011
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ISSN | 1881-3011 |
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Summary: | 非溶血性輸血副作用の防止のために, 各医療機関ではさまざまな方法で洗浄・置換血小板(W/R-PC)が院内調製されてきた. そのなかで, M-solを置換液とするW/R-PCが, 最も血小板機能を維持できると報告されている. そこで, 我々は, 当院におけるM-solを置換液とした置換血小板(R-PC)の標準作業手順書(SOP)を作成し, 院内調製の標準化のために前臨床評価した. SOPに従ったM-solおよびR-PCを調製(n=8)し, M-solの組成検査(pH, Na +, K +, Cl -, Mg 2+濃度)とR-PCの機能検査(血小板数, Glucose濃度, P-selectin陽性率, Swirling)により品質を検討し, 細菌培養, エンドトキシン濃度測定も実施した. R-PC調製1日後の平均値は, pH, Na +, K +, Cl -, Mg 2+濃度, Glucose濃度, P-selectin陽性率, それぞれ7.51, 150.9mmol/l, 2.71mmol/l, 77.9mmol/l, 1.39mmol/l, 17.6mmol/10 12PLTs, 5.50%であった. 調製7日後までの経時分析ではpH, K +, Glucose濃度が有意に変化した. 血小板回収率と蛋白除去率はそれぞれ90.8±3.2%, 93.3±1.6%であり, Swirlingも良好であった. また, 細菌培養は陰性, エンドトキシン濃度は検出感度未満であった. 本研究より, 院内二次製剤のSOPを作成し, 評価に基づいた製品標準を定めた. R-PCの院内調製は, SOPを遵守し製品標準を設けることで, 一定の品質を保証した調製が可能である. |
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ISSN: | 1881-3011 |