肝外胆管に発育したIntraductal papillary neoplasm of the bile duct (IPNB)

66歳, 女性. 2018年12月, 心窩部痛を自覚し近医を受診した. 血液検査で肝機能障害および画像検査で胆管腫瘍が疑われ, 当院消化器内科に紹介された. 入院時血液検査では肝胆道系酵素の上昇(AST 242IU/dl, ALT 296IU/dl, γ-GTP 1527U/l, ALP 1944U/l, LDH 297IU/dl)を認めたが, 黄疸はなく(T-Bil 1.1mg/dL, D-Bil 0.6mg/dL), 腫瘍マーカーも正常であった(CEA 0.9ng/mL, CA19-9 38U/mL). 腹部CT検査 : 左右肝管合流部から膵内胆管にかけて内腔に充満するように淡い造影効果を...

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Published in胆道 Vol. 34; no. 2; pp. 244 - 250
Main Authors 辻前正弘, 塩見英之, 増田充弘, 神澤真紀, 津川大介, 児玉裕三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2020
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ISSN0914-0077

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Summary:66歳, 女性. 2018年12月, 心窩部痛を自覚し近医を受診した. 血液検査で肝機能障害および画像検査で胆管腫瘍が疑われ, 当院消化器内科に紹介された. 入院時血液検査では肝胆道系酵素の上昇(AST 242IU/dl, ALT 296IU/dl, γ-GTP 1527U/l, ALP 1944U/l, LDH 297IU/dl)を認めたが, 黄疸はなく(T-Bil 1.1mg/dL, D-Bil 0.6mg/dL), 腫瘍マーカーも正常であった(CEA 0.9ng/mL, CA19-9 38U/mL). 腹部CT検査 : 左右肝管合流部から膵内胆管にかけて内腔に充満するように淡い造影効果を伴う腫瘍性病変を認めた. 腫瘍の大きさに比して, 肝内胆管の拡張は高度ではなく, 胆管内の隆起性腫瘍が疑われた. 下流の胆管拡張は明らかではなく, 粘液産生は, あっても軽度と考えられた. 壁外への明らかな浸潤や周囲のリンパ節の腫脹は認めなかった.
ISSN:0914-0077