股関節症における両側セメントレス人工股関節(JIAT)全置換術の成績

「はじめに」今日では重篤な股関節症に対しての人工股関節全置換術(以下THR)の成績はほぼ安定している. しかし, 両側性股関節症に対する両側THRの成績は不明なことが多い. そこで, 今回両側性股関節症に対して, 両側ともにJIATによるセメントレスTHRを施行した症例の術後成績を調査したので報告する. 対象および方法 対象は当科において1984年2月より1993年12月までの約10年間に, 両側性股関節症に対して両側ともJIATによるTHRを施行された. 16名32関節である. 対象例の性別は, 男性2名4関節, 女性14名28関節であり, 手術時年齢は44歳から75歳, 平均62.7歳であ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 1; pp. 9 - 13
Main Authors 小峯光徳, 忽那龍雄, 堤幸彦, 伊藤純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」今日では重篤な股関節症に対しての人工股関節全置換術(以下THR)の成績はほぼ安定している. しかし, 両側性股関節症に対する両側THRの成績は不明なことが多い. そこで, 今回両側性股関節症に対して, 両側ともにJIATによるセメントレスTHRを施行した症例の術後成績を調査したので報告する. 対象および方法 対象は当科において1984年2月より1993年12月までの約10年間に, 両側性股関節症に対して両側ともJIATによるTHRを施行された. 16名32関節である. 対象例の性別は, 男性2名4関節, 女性14名28関節であり, 手術時年齢は44歳から75歳, 平均62.7歳であった. 術後経過観察期間は初回手術側が2.0年から11.0年, 平均6.6年, 反対側が1.2年から10.7年で平均4.6年であり, これらの初回側の手術から反対側手術までの期間は2か月から7.8年, 平均2.0年であった. これら対象例について, 臨床評価とX線評価を行った. 臨床評価は日整会の股関節症判定基準(JOA hip score)を用いて行い, X線評価は図1に示した如く, Socket側がspike傾斜角(A)の推移を, stem側は沈下の有無(B)などを測定した.
ISSN:0037-1033