新生児股関節の超音波検査

「はじめに」新生児, 乳児の股関節評価に際し, 従来はX線による診断6)が一般的であったが, X線被爆の問題, またこの時期には骨端核の出現がみられにくいこともあり, 最近は超音波による検診が一般的になってきている. 今回我々は, 生後6日以内のいわゆる早期新生児期に, Graf法1)による超音波検査を行い, 臼蓋の発育が遅れているものについては1カ月後に再検査を行い, その結果について検討したので報告する. 対象および方法 1996年9月より1997年5月までに当院で出生した早期新生児68例(女児31例, 男児37例)の両股関節に対し, Graf法を用いて超音波検診を行った. 使用機器はアロ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 2; pp. 473 - 475
Main Authors 西岡英次, 浦門宏史, 村上知恵, 神代万壽美, 酒井亮, 吉田健治, 井上明生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1998
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」新生児, 乳児の股関節評価に際し, 従来はX線による診断6)が一般的であったが, X線被爆の問題, またこの時期には骨端核の出現がみられにくいこともあり, 最近は超音波による検診が一般的になってきている. 今回我々は, 生後6日以内のいわゆる早期新生児期に, Graf法1)による超音波検査を行い, 臼蓋の発育が遅れているものについては1カ月後に再検査を行い, その結果について検討したので報告する. 対象および方法 1996年9月より1997年5月までに当院で出生した早期新生児68例(女児31例, 男児37例)の両股関節に対し, Graf法を用いて超音波検診を行った. 使用機器はアロカ社製SSD-650CL電子走査超音波装置を使用し, 7.5MHzリニア型プローブを使用した. 出生状況では, 母親の出産時年齢, 在胎週数, 分娩様式, 出生時体重を調査した. 股関節診察所見としては, 股関節の開排制限, クリックの有無を調べ, 超音波所見としてはα角, β角を計測した. またtype IIa+以上のものに対しては, 1カ月後に再度超級を行った. 結果 出生状況では, 母親の出産時年齢:17歳~43歳(平均27歳), 在胎週数:35w3d~47w4d(平均39w3d), 分娩様式:経膣分娩53例(頭位分娩52例, 骨盤位分娩1例), 帝王切開15例, 出生時体重:2218~4160g(平均3100g)であった.
ISSN:0037-1033