悪性グリオーマに対するレーザー手術の評価
悪性グリオーマに対する手術的治療の限界はすでに周知のごとくであるが, 現在のところはやはりまずできるだけ腫瘍容積を減らし, ついで残存腫瘍に対する放射線・化学・免疫療法などの補助療法を追加し, 腫瘍の再発・再燃を抑え延命効果を計る方針が支配的である. 重要なことは摘除の際に腫瘍辺縁部をできるだけ残さず, かつ正常組織への影響を最小限に抑えることであり, この問題を解決するには腫瘍の大きさや局在はもちろん, その浸潤範囲や脳浮腫の状態もかなり正確に, また立体的に把握できるCT所見を指標とした炭酸ガスレーザーメスによる摘除が好都合と考えられる. 我々はこうした方針により過去5年間にわたり種々の悪...
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Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. 12; pp. 924 - 930 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1983
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0470-8105 |
Cover
Summary: | 悪性グリオーマに対する手術的治療の限界はすでに周知のごとくであるが, 現在のところはやはりまずできるだけ腫瘍容積を減らし, ついで残存腫瘍に対する放射線・化学・免疫療法などの補助療法を追加し, 腫瘍の再発・再燃を抑え延命効果を計る方針が支配的である. 重要なことは摘除の際に腫瘍辺縁部をできるだけ残さず, かつ正常組織への影響を最小限に抑えることであり, この問題を解決するには腫瘍の大きさや局在はもちろん, その浸潤範囲や脳浮腫の状態もかなり正確に, また立体的に把握できるCT所見を指標とした炭酸ガスレーザーメスによる摘除が好都合と考えられる. 我々はこうした方針により過去5年間にわたり種々の悪性グリオーマに対する治療を行い, 今回その経験をもとに特にレーザー手術の有用性に対する評価を試みたので報告する. |
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ISSN: | 0470-8105 |