腰椎椎間孔外ヘルニアの診断について

「はじめに」MRI, CTなどの画像診断法の進歩によって椎間孔外ヘルニアがの報告が多くみられるようになった. これに対して椎間板造影や神経根造影などの機能的な方法を経て診断することが多い. 本研究の目的は当院で経験した症例についてMRIの問題点を明確にし, 神経根造影と椎間板造影の利点や欠点を検討し, 診断の手順を決定することにした. 対象および方法 対象症例は椎間孔外ヘルニアの診断が確定した10例(男性6例, 女性4例)で年齢は24歳から57歳(平均41歳), ヘルニア高位はL3/4 2例, L4/5 1例, L5/S 7例であった. 全例神経学的に単根性の神経障害が存在し, MRIもしくは...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 3; pp. 977 - 979
Main Authors 原真一郎, 鳥越雄喜, 高須賀良一, 小西宏昭, 太田雄三, 吉田省二, 山口和博, 奥村正彦, 鈴木暢彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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Summary:「はじめに」MRI, CTなどの画像診断法の進歩によって椎間孔外ヘルニアがの報告が多くみられるようになった. これに対して椎間板造影や神経根造影などの機能的な方法を経て診断することが多い. 本研究の目的は当院で経験した症例についてMRIの問題点を明確にし, 神経根造影と椎間板造影の利点や欠点を検討し, 診断の手順を決定することにした. 対象および方法 対象症例は椎間孔外ヘルニアの診断が確定した10例(男性6例, 女性4例)で年齢は24歳から57歳(平均41歳), ヘルニア高位はL3/4 2例, L4/5 1例, L5/S 7例であった. 全例神経学的に単根性の神経障害が存在し, MRIもしくはCTで椎間孔外にヘルニアを疑わせる椎間板の突出を認めた. 3例は保存的治療で軽快し, 残る7例に手術を行い全例椎間孔外ヘルニアを確認した. 以上の症例に対して行われたMRIの問題点や機能的な診断である椎間板造影と神経根造影の有用性について調査した(表1). 結果 MRIで椎間孔外ヘルニアを疑わせる椎間板の突出を認めたのは7例であった. 3例は椎間孔外ヘルニアの部位でスライスされておらず脊髄造影時に障害神経根の異常がないため造影後のCTの際に初めて椎間孔外ヘルニアが確認された.
ISSN:0037-1033