舟状骨偽関節に対する遠位骨片摘出術の経験

「はじめに」舟状骨偽関節に対する治療に関してはさまざまな方法が報告されているが, 今回我々は二次性関節症変化を伴った難治性舟状骨偽関節2症例に対して, いまだ本邦では報告がない遠位骨片摘出術/Distal Scaphoid Resection Arthroplasty(以下DSRAと略す)を施行し, 良好な短期成績を得ているので報告する. 症例 症例1:39歳, 男性, 右利き, 飲食店経営, 右舟状骨偽関節例である. 92年9月バイク走行中転倒し受傷. 右舟状骨骨折に対して某医にて1カ月間のギプス固定, 以後リハビリテーションを継続するも右手関節痛改善せず, 93年5月当科紹介受診. 右舟状...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 4; pp. 1199 - 1203
Main Authors 副島修, 飯田博幸, 緒方公介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1998
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」舟状骨偽関節に対する治療に関してはさまざまな方法が報告されているが, 今回我々は二次性関節症変化を伴った難治性舟状骨偽関節2症例に対して, いまだ本邦では報告がない遠位骨片摘出術/Distal Scaphoid Resection Arthroplasty(以下DSRAと略す)を施行し, 良好な短期成績を得ているので報告する. 症例 症例1:39歳, 男性, 右利き, 飲食店経営, 右舟状骨偽関節例である. 92年9月バイク走行中転倒し受傷. 右舟状骨骨折に対して某医にて1カ月間のギプス固定, 以後リハビリテーションを継続するも右手関節痛改善せず, 93年5月当科紹介受診. 右舟状骨偽関節の診断にて, ピンニングおよびHerbert screwを用いた計2回の腸骨移植, 骨接合術を行うも骨癒合が得られず, 97年4月DSRA目的にて入院となった. 術前所見:物を持ったり手をつく動作にて手関節の強い疼痛があり, 仕事に支障をきたしていた. また手関節に腫脹およびAnatomical snuff boxに圧痛を認めた. 手関節可動域, 握力はそれぞれ健側比78%, 20%と低下していた.
ISSN:0037-1033