当科における人工股関節置換術後の脱臼例の検討

「はじめに」人工股関節置換術(以下THR)後の合併症の一つに術後脱臼があるが諸家の報告では3%前後である2)4). その原因について様々な要因が検討されている2)3)4). 当科では93年12月よりOstenicsの人工股関節を用いてTHRを行っているが術後脱臼を来たす例が多い. 脱臼症例の中にCupが後開きになっているもの, また逆に前開きの強いものがありCupの設置角度が脱臼の一因になっているのではないかと考えCupの設置角度について検討した. 対象 対象症例は1993年12月から1995年7月までに当科にてTHRを施行した19例20股関節で男性4例, 女性15例, 手術時年歳は43歳から...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 3; pp. 771 - 773
Main Authors 平塚徳彦, 野口康男, 山口司, 坂本央, 寺戸一成, 北方明, 利光哲也, 奥山清隆, 原口総一郎, 小嶋聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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Summary:「はじめに」人工股関節置換術(以下THR)後の合併症の一つに術後脱臼があるが諸家の報告では3%前後である2)4). その原因について様々な要因が検討されている2)3)4). 当科では93年12月よりOstenicsの人工股関節を用いてTHRを行っているが術後脱臼を来たす例が多い. 脱臼症例の中にCupが後開きになっているもの, また逆に前開きの強いものがありCupの設置角度が脱臼の一因になっているのではないかと考えCupの設置角度について検討した. 対象 対象症例は1993年12月から1995年7月までに当科にてTHRを施行した19例20股関節で男性4例, 女性15例, 手術時年歳は43歳から74歳, 平均62歳であった. 原因疾患は変形性股関節症17例, 慢性関節リウマチ2例であった. 方法 1. cupの設置角度を変えたときのStemの可動域の変化を測定するためにOsteonicsの人工股関節を用いて人工股関節の可動域の測定装置を作成した. Stemの内外転0°で屈曲を0°, 90°としたときのNeckがCupに当たるまでの内外旋の可動域を安全域として測定した, 2. 仰臥位股関節中間位のX線前後像をもとにCupの前開き角(以下α), 外開き角(以下β), 脚長差, 脚長変化を計測し術前のJOA可動域点をあわせ5項目について脱臼例と非脱臼例で比較検討した.
ISSN:0037-1033