ステム側looseningに対するセメントレス再置換術の経験

「はじめに」人工股関節の再置換に際し, 骨破壊が強い大腿骨側の再置換には難渋することが多い. 我々はこのような症例に対し, セメントレスステムを用いた再置換術を行っており, その手技, 成績につき報告する. 手術手技 ステムやセメントを抜去した後, 骨皮質に生じた骨欠損は原則として自家腸骨板を用いて被覆し. wiring固定する. 最近では皮質骨の固定には固定力もあり, 移植骨片の破損も少ないと考えCCGバンドを用いている. 骨菲薄化や萎縮により拡大した骨髄腔にbone chipおよびmorselized boneを充填移植し, 大腿骨の再建を行う. まず髄腔の底部に大きめのbone chip...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 2; pp. 350 - 353
Main Authors 吉野伸司, 武富栄二, 砂原伸彦, 福村憲司, 中村雅洋, 三好敢太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2000
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Summary:「はじめに」人工股関節の再置換に際し, 骨破壊が強い大腿骨側の再置換には難渋することが多い. 我々はこのような症例に対し, セメントレスステムを用いた再置換術を行っており, その手技, 成績につき報告する. 手術手技 ステムやセメントを抜去した後, 骨皮質に生じた骨欠損は原則として自家腸骨板を用いて被覆し. wiring固定する. 最近では皮質骨の固定には固定力もあり, 移植骨片の破損も少ないと考えCCGバンドを用いている. 骨菲薄化や萎縮により拡大した骨髄腔にbone chipおよびmorselized boneを充填移植し, 大腿骨の再建を行う. まず髄腔の底部に大きめのbone chipを打ち込んだ後, 小さいbone chipをラスピングと併行して髄腔に詰めていく, 大腿骨ステムを挿入する際にもステム周囲にbone chipを詰め込み, きつくステムが挿入固定されるようにする. ステムはlong stemを用いるが, extensive porous typeおよびproximal porous typeを症例に応じて使用した. この方法により再置換を行った症例につき検討した. 対象および方法 対象は, 再置換術を行い術後6ヵ月以上経過した7例7股で, 男性3股, 女性4股, 年齢は45~75歳, 平均62歳, 術後経過観察期間は7~25ヵ月, 平均13.1ヵ月である.
ISSN:0037-1033