上位頚椎部における椎骨動脈の走行の検討

「目的」上位頚椎部の手術において, 椎骨と椎骨動脈の関係を知ることは, 手術の安全性の上で極めて重要である. 今回, 血管造影によって椎骨との位置関係を明確にし, 手術の際の指標とすることを目的に上位頚椎部での椎骨動脈の走行を調査した. 「対象」当病院脳外科で過去2年間に椎骨動脈造影を行った50例を対象とした. 男性20例, 女性30例で, 疾患の内訳はくも膜下出血21例, 脳動脈瘤12例, 脳梗塞7例, 脳腫瘍6例, その他4例であった. 年齢は19~77歳(平均59.5歳)であった. 「方法」椎骨動脈造影で得られたタウン撮影による正面像と側面像より計測を行った. 計測は環椎部で最も正中に近...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 3; pp. 975 - 977
Main Authors 井上篤, 小西宏昭, 原真一郎, 高須賀良一, 原寛徳, 山口和博, 伊達武利, 安達耕一, 山崎浩二郎, 玉井崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2000
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ISSN0037-1033

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Summary:「目的」上位頚椎部の手術において, 椎骨と椎骨動脈の関係を知ることは, 手術の安全性の上で極めて重要である. 今回, 血管造影によって椎骨との位置関係を明確にし, 手術の際の指標とすることを目的に上位頚椎部での椎骨動脈の走行を調査した. 「対象」当病院脳外科で過去2年間に椎骨動脈造影を行った50例を対象とした. 男性20例, 女性30例で, 疾患の内訳はくも膜下出血21例, 脳動脈瘤12例, 脳梗塞7例, 脳腫瘍6例, その他4例であった. 年齢は19~77歳(平均59.5歳)であった. 「方法」椎骨動脈造影で得られたタウン撮影による正面像と側面像より計測を行った. 計測は環椎部で最も正中に近づく距離Aおよび軸椎部での正中からの距離Bを測定し, 実測値を補正した後の実際値を求めた. 測定誤差を少なくするため2回の計測を行った(図1). 次に, 椎間関節の長さaと椎間関節正中側から椎骨動脈までの距離bを計測補正し, 椎骨動脈が椎間関節に接近する程度をbをaで除した値として求めた(図2).
ISSN:0037-1033