当科における人工股関節置換術後の脱臼症例についての検討―患者教育の重要性
「はじめに」人工股関節置換術(THA)後脱臼は患者の身体的, 精神的苦痛を増大させ, 歩行訓練を後らせるばかりか, 繰り返す症例には再置換術も余儀なくされることがある. 今回, 当科で行ったTHA後の脱臼症例について調査し, その原因について検討を加えたので報告する. 対象と方法 1991年より1997年までに当科で行ったTHA155例166股のうち1998年4月までに脱臼を起こした人工股関節は15例15股であり, 性別は男4例, 女11例で手術時平均年齢は49歳から79歳で平均63歳であった. 原疾患は慢性関節リウマチ(RA)10例(うち人工骨頭置換術後1例, 転子部骨折の骨接合後1例),...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 1; pp. 250 - 253 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1999
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」人工股関節置換術(THA)後脱臼は患者の身体的, 精神的苦痛を増大させ, 歩行訓練を後らせるばかりか, 繰り返す症例には再置換術も余儀なくされることがある. 今回, 当科で行ったTHA後の脱臼症例について調査し, その原因について検討を加えたので報告する. 対象と方法 1991年より1997年までに当科で行ったTHA155例166股のうち1998年4月までに脱臼を起こした人工股関節は15例15股であり, 性別は男4例, 女11例で手術時平均年齢は49歳から79歳で平均63歳であった. 原疾患は慢性関節リウマチ(RA)10例(うち人工骨頭置換術後1例, 転子部骨折の骨接合後1例), 変形性股関節症(OA)4例, 大腿骨頚部骨折後の大腿骨頭壊死1例であった. 機種はPCA型9例, Charnley型3例, OMNIFLEX型3例であった. 脱臼症例の手術からの経過観察期間は6ケ月から4年8ケ月で平均2年2ケ月であった. 全例において手術アプローチは後方進入であった. 今回もっとも症例が多かったセメントレスPCA型人工股関節の標準的リハビリプログラムは7日目より車椅子移動, 健側起立訓練開始, 28日目より部分荷重開始, 49日目より全荷重開始であった. |
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ISSN: | 0037-1033 |